家族を守ることを大事にし続けた


──プレハブ小屋を出て一人暮らしを始めたのはいつ頃ですか?

河井:NSC(吉本総合芸能学院)に入って1年弱ぐらいで、無理やり出ましたね。家にお金を入れるので、問題ないだろうと思って。でもプレハブの実家自体、住み始めて10年目くらいのときに追い出されました。母親も弟も、10年ぐらい住んでまぁしゃあないか、ちょっとここで頑張ろうかって言って、やっと慣れてきたときでしたね。プレハブもおられへんのかい!って。
23歳からひとり暮らしをしていましたが、家族がプレハブを追い出されることになって、もう一回3人でアパート暮らしが始まりました。

 

──YouTubeで、プレハブ小屋に住み始めた18歳の頃、お母様も更年期障害でしんどい時で、家族が大変で河井さん自身人生のどん底だったとおっしゃっていましたよね。すごく大変な中、家族のために働き続けることができたのはすごいことだと思います。

河井:母親がずっと頑張って働いてくれてたのを見てましたからね。

 

──ご実家にはずっと仕送りをされているんですか?

河井:そうですね、18歳から。今も入れてます。なんか、天引きされるみたいな感覚です。

──長らくアルバイトと芸人のお仕事を掛け持ちして、大変な時期が続いたと思いますが、経済的に安定したのはいつ頃なんでしょう。

河井:35~6歳とかじゃないですか。そこからはそれを維持するというか、引くに引けないという感じですよ。

──お金に対する考え方や価値観は変わりましたか。

河井:変わったと思います。NSCに入るときは、1回か2回でもいいから、絶対に年収億行きたいなと思っていました。もちろん今でも、やっぱり稼いだお金ってイコール評価みたいなところもあると思うので、頑張ってそうなれたらなとは思います。でも、若いときに先輩が言っていた、「お金は追えば追うほど逃げる」という言葉の意味が身に染みてわかるようになったんです。やっぱり、実は経験も技術も熱量も足りてないときの方が、お金お金、稼がないと、と思っていたような気がしますね。