今まで明らかにしてこなかった母との関係性に真正面から向き合ったエッセイ『Dearママ』(幻冬舎)を発表した吉川ひなのさん。2015年からハワイで生活し、夫、11歳の長女、6歳の長男、2歳の次女の5人で賑やかな毎日を過ごしています。モデルとして多忙だった10〜20代、出産や移住を決断した30代を経て、43歳になった吉川さんは、日々どのようなことを感じているのでしょうか?

インタビュー前編
ようやく母と向き合い、受け入れることができた――。吉川ひなのさんが、言葉を紡ぎ続ける理由。>>

 

吉川ひなの
13歳でモデルデビュー後、一躍トップモデルに。数々の雑誌で表紙を飾り、女優や歌手としても活躍。2015年にハワイに移住し、夫と子ども3人とともにナチュラルなライフスタイルを実践。オーガニックコスメブランド「hinalea」や子ども服ブランド「Love the Earth blue」をプロデュースするかたわら、環境アクティビストとしてSNSやイベントを通して情報発信を積極的に行っている。
Instagram:@hinanoyoshikawa

 

何も取り繕わなくても自分は自分のままでいいと思えること。


吉川ひなのさんは前作『私が幸せになるまで 豊かな人生の見つけ方』の中で、自分の幸福の基準について語っています。20代の頃は、広い家に住んでたくさんのモノを所有し、休みの日にはおしゃれなお店にショッピングに行くことが幸せの象徴だと信じていたけれど、やはりそれでは心が満たされず、自分にとっての『本当の幸せ』が分からずにいたとのこと。

そして、吉川さんのことを誰も知らない国で、一人の人間として生活したいと思い、何度も訪れたことがある、自然豊かなハワイに拠点を移すことを決断しました。

「東京から遠く離れたことは大きかったです。自分の人生をよりよく、豊かに生きるためにどうすればいいかを考えた時に、一番すべきことは、何も取り繕わなくても自分は自分のままでいいと思えること。シンプルになりたかったんです」

時に自己肯定感が低くなってしまい、他人がどう思っているかが気になってしまうことがあるという吉川さんですが、夫は対照的な人物でした。

「私がエッセイで夫についても書いているので、ちゃんと見せて確認しているのですが、いつも大丈夫って言うんです。でも、本を出したら友達に『よくあの内容でOKしたね』って言われるから、夫に嫌じゃないか聞いてみたら、『全然。人によく思われて何の意味があるの?』って」

人がどう思うかについて聞いてみても、夫は、『どうでもよくない?』と一言。

「『そんなの考えても一生答えは出ないから、その人が発した言葉をそのまま受け止めて、そうなんだって思うしかなくない?』と夫に言われているうちに、私もそう考えられるようになっていきました。シンプルな物事のとらえ方は羨ましいし、夫みたいに図々しく生きてみたいって思ってます」

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【写真】吉川ひなのさん
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