体調回復の見込みを伝えて共有することは大切

 

体調が悪いことの理由として「更年期であること」と伝える必要はないと話す高尾先生。ただし、体調の回復の見込みを職場や仕事で関わる人々に伝えることは大切だと言います。

 

「たとえば、更年期世代じゃなくても『卵巣の手術をします』など女性特有の病気を周りに言いたくない人もいますよね。そこで、きちんと『2週間休みをもらいます。その後の1週間はまだ少し体調が悪いけれど、徐々に回復して普段通りになります』と見込みを伝えておけば、会社としては困らないはずなんです。それは、毎月来る生理不調でも同じように言えることです。

すべてを言葉にしなくとも、ある程度は想像できる材料を世の中が持てる社会、それが理想です。今はまだ、男性だけでなく女性も含めて全員が、女性特有の不調について想像できるような材料を持っていないかもしれません。体調不良に関しても更年期に関しても、『お互い様だよね』と思えるような社会になっていく過渡期なんだと思います」

とはいえ、更年期の不調はいつ起こるかは個人差も大きく、何年も続く可能性もあります。体調の見込みをまわりに共有するために、「更年期の不調かと思ったら、婦人科を受診してほしい」と高尾先生。