むりやりのセックスは暴力。事前に必ず相手の気持ちを聞こう


恋人どうしはセックスするもの、というわけではありません。まず、自分はどうしたいのか考えましょう。そして、相手の気持ちもたずね、二人がしたいと思ったときにだけセックスをします。

気分や体調などで、セックスをしたくない日もあるので、毎回お互いの気持ちを確かめます。これを性的同意といいます。たとえセックスを断られても、きらわれたわけではありません。むりやりするのは、暴力と同じことです。

お互いの気持ちを大切にできる関係が、いい関係です。
 

 

性的同意はこうやってとる


セックスをしてもいいか、どんなことならいいか、どこでならいいか、「こうしたい」という自分の気持ちを伝え、相手の返事を待ちます。

 

相手に聞くとき
「キスしてもいい?」「セックスしてもいい?」など自分の気持ちを伝えます。このとき、大きな声でおどしたり、暴力をふるってむりやり「いいよ」と言わせたりしてはいけません。

聞かれたとき
してもいいときは「いいよ」、いやなときは「いや」とはっきり言います。わからないときは、「わからないから、今日はやめておこう」と言いましょう。

 

監修者プロフィール
伊藤修毅(いとう なおき)さん

1974年生まれ。日本福祉大学教育・心理学部准教授。高等養護学校教諭を経て、2009年奈良教育大学大学院教育学研究科修士課程修了、2012年立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。“人間と性”教育研究協議会障害児・者サークル代表、全国障害者問題研究会愛知支部長。主な著書に『ゼロから学ぶ 障害のある子ども・若者のセクシュアリティ』(全障研出版部)などがある。

 

『発達が気になる子の性の話 みんなでいっしょに学びたい』
監修者:伊藤修毅 講談社 1650円(税込)

小学校高学年から高校を卒業する頃までには身につけたい、性や恋愛、人間関係についてイラストやマンガをふんだんに入れて解説。発達がゆっくりであったり、凸凹があったりする「発達が気になる子どもたち」にも理解しやすいよう、かなり易しい言葉でまとめています。「相手にふれる前に必ず同意をとる」など、初歩的な心がまえもたくさん書かれており、大人が読んでもハッとさせられることの多い内容になっています。



イラスト/WOODY
構成/さくま健太