テクノロジーの導入や、メディア主導への適応

2014年10月24日。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

ダイアナ元妃が王室メンバー入りをされ、世界中の注目を集める80年代に、メディアを公務の際に同席させることを許可されたのも、実はエリザベス女王でした。

また、これはロンドン、科学博物館での新たなギャラリーのオープニングに際し、エリザベス女王が王室の公式アカウントから、Twitterに投稿をされるシーンですが、いち早くソーシャルメディアを取り入れられたりと、時代の動きにフレキシブルにテクノロジーも採用されてきました。実際のところ女王ご自身も、プライベートでタブレットを使いこなされていたほどに電子機器にもお強かったそうです。

思い返せば昨年のプラチナジュビリー・イベント中にも、エリザベス女王がパディントンと共演!といった演出が大きな話題となりました。

ユーモアに溢れ、またSNSのツールを使っての情報発信など、今では当たり前に聞こえる、「開かれた王室」も、実はエリザベス女王の治世時代での変化です。

 

約600の慈善団体を支援するとともに、ファッション・アイコンとしても君臨

2018年12月13日、次男アンドルー王子とご一緒に、ロンドン、リンカーン法曹院を訪問。写真:Shutterstock/アフロ

女王の勤勉さは知られるところですが、コロナ化や体調を崩される以前の2018年、92歳の女王は年間300近い公務に従事されていました。

逝去されるまで、パトロンとして支援されていた慈善団体や組織の数は約600と、誰よりも多かったのです。
最後の最後まで、お身体が動くかぎり、君主として最も多くの人々のサポートをされてこられた女王。更にはファッションにおいても、目立つカラーのお洋服に高さのあるお帽子と、国民が女王の姿を認識しやすいようにと、配慮がなされていました。そんなお仕事スタイルは唯一無二となり、その存在感とともにエリザベス女王は、後世に残るファッション・アイコンともなられました。
 

結婚生活も、英国君主として史上最長

2015年3月13日、ロンドン、聖ポール大聖堂で行われた戦争犠牲者の追悼式典に出席。写真:AP/アフロ

最後はやはり、エリザベス女王とフィリップ殿下のラブストーリーで締めくくり。
96歳という最高齢に、70年の最長在位期間。これだけでも十分偉業なのに、実は更にもう一つの記録があるんです。それが女王とフィリップ殿下の結婚生活! 73年間というのは、英国君主では初めてで最長記録です。

女王のひと目惚れから始まり、周りの反対も押し切り結婚。即位後は常に半歩後ろから妻を支え、見守っていらした殿下と、そんな殿下に、常に感謝のお気持ちを持っていらした女王。これは8年前、女王89歳、殿下93歳のお二人が、自然に手を取り合って階段を降りるお姿を拝見。長き結婚生活を経て尚、こんな風に支え合っていらしたお二人のお姿には感動以上のものがありました。

2021年4月に、殿下が逝去されると、あたかも後を追うかのごとく、翌年9月にこの世を去っていかれたエリザベス女王。きっと今は、別の世界で肩の荷を下ろして、お二人仲良くいらっしゃるのでしょう。
 

※初掲時、記事中の表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。


構成/高橋香奈子
 

 

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