自分自身は真夏でも香水はつけたいタイプなのですが、もわっと立ち上るような汗ばむ湿度の季節は「香害」にならないよう、少し遠慮してしまいます。どうやったってこの風土に暮らす以上、あまたあるメゾンブランドの名香とはいえ常にしっくりくるというのは無理なのでは。それが私たちの正直な本音かもしれません。さらに成熟に向かいつつあり、ブランドバッグのようなヒット香水を買ってみたり、憧れの女性の愛用品を真似たりするような選び方はもうしないミドルエイジ。今、どんな香りなら自分らしくいられるか。考え出すと結構難しい……。そんななか、最近出会った国産フレグランスがしっくりきたので、今週のお助けコスメにいたします! 

プレスリリースによると、アーレスは「日本の伝統的叡智に最先端の技術を掛け合わせた機能性を追求」したブランド。表参道や八重洲ミッドタウンの店舗や、梅田阪急などでのポップアップを除けば、オンラインショップがメインです。美容関係者としてもリアルで手に触れられる機会は貴重なので発表会で試してまいりました。その結果、すっかり気に入ってしまって最近のスタメンと化しています。

 


雑誌編集者時代、ダントツで香水の記事が難しかった理由


あたりまえといえばあたりまえなのですが、目に見えないものを写真と文章で表現するのは難しいこと。印刷物を使って遠くたくさんの人に情報を届けるメディアである雑誌で、香水瓶の美しさやメゾンの歴史、原材料の素晴らしさを伝えることはできても、肝心の香りを伝えるのは至難の業です。もはやそれは「詩」の世界で、ライターさんの技術が最も求められるページのひとつ。

ウェブの編集をしている今も、ある程度それは同じ。ですが、今回のアーレスの香水はもうひとつ香りを伝えるツールが使えるのです。こちら、なんと「香りを聞く」ことができるのです。

耳を傾け、香りを “聞く”香り1種につき、1つのオリジナルサウンドを様々なアーティストが制作。静かに目を閉じて音と香りを“聞き”、人それぞれに広がる情景や感情を味わってください。未知なる自分と出会う体験を。
Sound Perfume · ROYAL j # Secret Letter


#シークレットレター の香りいかがでしたか? 一応、公式サイトによると香調は「甘さのあるユズとラベンダーの心落ち着く優しさに、モスとベチバーのアクセントが印象的な香り」。五感は繋がっていると言いますし、日本古来の「香道」でも「香りを聞く」という言い方をしますから、案外正しい香りの確かめ方かも知れません。

香水といっても水のように軽いオーデコロンからエタノールが立ち昇る濃厚なオードパルファムまでありますが、こちらの「ロイヤルj」シリーズはオードパルファムにしては軽めという感じ。本格的香水がお好きな方も満足できる深さはありますが、もわっと強く香るのは苦手という方も大丈夫なんじゃないかと思います。香りは決して弱くないのに、つけていても出しゃばらないのが不思議。誰かにアピールするような香りではなく、内側に向けて瞑想するようで素敵です。

また、つけた瞬間オードパルファムでときどき感じるようなアルコールの刺激があまりなく、すっと香りが肌になじむようです。ブランドのこだわりである100%国産オーガニック玄米エタノールと国産の希少な香りの原料が、私たちの暮らす気候にもあっているのかも知れません。歳を重ねて香りからご無沙汰という方も、もしかしたら自分らしいフレグランスが見つけられるかも。もしよろしければお試しになってみてください!


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