ミドルエイジが直面する介護やお金の問題について、介護の専門家でFP資格を持つ渋澤和世が、皆さんのお悩みにお答えします。

近年、核家族化や地方の過疎化などによって、お墓の在り方が変わりつつあります。「墓じまい」という言葉を普通に聞くようになってきた今、「墓守」の存在も揺らいでいます。今回の相談者・愛さんは、父親が墓守を担っており、父亡き後のことを気にしている様子。話を聞いてみましょう。
 

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墓守の父、今後は娘の私が墓守に?

76歳になる私の父は、三男にも関わらず、すぐ上の兄に「墓守はお前に託した」と言われて10年ほど前から先祖代々のお墓を守っているようです。そんな役回りを担っていたのか! と私が知ったのは数年前のこと。

父は九州の人間で、当然守る墓も九州にあります。ですが父は就職と同時に上京し、もう半世紀以上東京で暮らしているので、遠く離れた地にある墓を守るというイメージが湧きません。

そこで「そんな父がなぜ墓守を?」と疑問に思って母に聞くと、「お父さんは強引に墓守にさせられたわけじゃないのよ」と言われました。何でも叔父たちは、父に無理やり墓守を押し付けたわけではなく、みんなそれぞれ介護をしたり家業を継いだりしたから、墓守ぐらいなら負担も少ないだろうということで任せたようなのです。

「墓を守る」というとたいそうなことのように感じますし、お金だって多少はかかるでしょう。そんなことを考えていたら、「墓守ってお金がかかるでしょう? でもその費用は叔父さんが出してくれたのよ。だから心配ないわ」と母に言われました。

我が家は二人姉妹。私も妹も都内在住なので、父亡き後に墓守を任されたとしても頻繁に行くことはできません。気になって父に聞いてみると、「九州に残っているお前たちの従兄弟に任せればいいんじゃないか?」と軽くかわされてしまいました。

父は墓守として、墓が遠くにあるのは大変と言えば大変だと言っていますが、私の知る限り、それほど負担になっているようには見えません。墓守に関する費用は叔父が出してくれているので、経済的負担という面で苦労がないのかもしれませんが、私の代ではそうも言っていられなくなるでしょう。

先祖代々となると祖父母の法事もありますし、それなりにお布施の額もかさみそうで、自分の子どもたちに任せるのも躊躇してしまいます。

そもそも墓守を任されたら何をしなければならないのか、お金のことも気になるので教えてください。

 
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