結婚がしたいのか? それとも彼といたいのか?


ただ、康彦の気持ちも分からなくはないんです。付き合う段階で、志織に「結婚する気がない」と伝えているわけだし、「いつか結婚しようね」なんて言いながらズルズル引っ張っているわけじゃない。ちょっぴり憎いけれど、筋は通っているんですよね。

となると、本当は結婚したいのに、彼に合わせて「わたしも結婚したくないから」と言っている志織にも問題はある。もちろん、すごいわかるんですよ。物分かりがいいふりをしていれば、彼を失わずにすむわけだし。でも、自分の気持ちに嘘をついて生きていくのは苦しい。

ここで志織は、結婚がしたいのか? それとも、彼といたいのか? を考えるべきだと思います。もちろん、彼と結婚できるに越したことはないんだろうけど……。あそこまで頑なな康彦の意見を変えて、結婚できたとして、果たして幸せになれるのだろうか。



彼の気持ちを突き動かすには“期限”をつけるべし?
 

いつか、彼の気持ちが変わるはず。いつか、プロポーズをしてくれるはず。と、“いつか”を待ち続けている志織に、喝を入れたのが万里江です。なんと万里江も、結婚前に悠作(吉岡秀隆)に「俺は結婚する気もないし、子どもも嫌いだから、家庭を作ることは一生ない」と宣言されたらしく……(現在、深堀家には息子がいるんですけどね)。万里江は「結婚する気がないのなら、別れます。年内までに返事ください」と“期限”を突きつけたのです。女は、プロポーズを待たなければならないわけじゃない。女だって、自分で人生を切り拓いていくべき! 万里江の行動は、すべてが一貫していてかっこいいです。

そんな万里江の言葉に心を動かされた志織は、「結婚しなくてもいいなんて嘘。あなたと結婚したいと思ってる」と伝えました。「……やっぱりそうなんだ」という康彦の返しにはちょっぴり(というかだいぶ)イラっときたけど、これまで嘘をついてきてしまったのだから仕方がない。「年内いっぱいで返事ちょうだい」と言われた康彦はどうするのか。

現実的なことを考えると、康彦は志織に養ってもらっているからこそ、建築士の勉強ができるんですよね。そのため、別れるとなると家も出なければならないし、当然アルバイトだけでは生きていけなくなる。まあ、康彦のことだから、志織と別れたとしてもまた別の寄生先があっさり見つかりそうですが……。彼が出す結論にも注目しながら、『コタツがない家』を楽しんでいきたいと思います。
 

 

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