思い出服2 
13年前のランバンのフェルトトレンチ


「Grazia」というファッション誌にいた頃、大好きだった編集長と一緒にパリへ出張。空き時間に百貨店のボンマルシェのセールに一緒に行ってゲットしました。今は亡きその人との楽しい思い出が詰まっています。

アルベール・エルバス時代のランバンです。ズシッと重いフェルト素材。


 思い出服3 
20年くらい前のハワイのワンピース


初めてのハワイの思い出。ハワイ島・ヒロの有名なアロハシャツメーカー「シグ・ゼーン」のショップで、親友と一緒に購入。ハワイ島の植物がモチーフになっています。

もう絶対に着ることはない丈感。しかもハワイ旅行でしか着ていないので、新品同様にきれい。

他にもいろいろ捨てましたが、私の思い出服は旅と絡んでいるものが多かったです。
あと人。
ランバンのコートはずっと着ていなかったのに、私が何かやらかすたびに「松崎~~」と呼ぶエレガントな編集長の、心底あきれた声が聞こえるようで(笑)、懐かしくて、手放せなかったんです。

 


でも、昼田さんはこう書いています。
 


使わないのに手元に留めておくことは、モノに対する嫌がらせ。自分とは縁が切れてしまったなら、必要とされている人のところに回していく、あるいは生まれ変わってもらう。大事に思う気持ちがあるからこそなのです。

(『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』より)
 


ずっしり重くても、丈が短くても、若くて元気だったり身長が低めだったりする人は楽しく着こなしてくれるかもしれない。ランバンのヴィンテージを集めている人もいるかもしれない。
使わないでいるよりも、必要な人に着てもらうほうが服にとっては幸せなことです。

私は思い出服を写真に撮った後、きれいに畳んで、ブランディアのボックスに詰めて送り出しました。
さすがに劣化スウェットは捨てましたが(笑)。

そして、そうした思い出服を手放しても、ひとつも後悔することはありませんでした。
服が手元になくても、胸に残る思い出に何も変わりはないから。

着ていない思い出服をごっそり処分した後のクローゼットは風通しよくスッキリして、捨ててよかったなあと心から思いました。
その後、連載をまとめて本にしませんかと昼田さんにご連絡したのは、言うまでもありません。
 

 

<新刊紹介>
『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』

著:昼田祥子
定価:¥1540(税込)
講談社

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クローゼットに収納術はいりません。
「クローゼット=本当の自分」にできれば、勝手に整うものだから。
ただ、自分の心地よさに従うこと。
本来の自分を生きるという覚悟を決めること。
捨てられずに人生を詰まらせているものに向き合い、手放していけたとき、人生はすごい速さで自分でも思いがけない方向に進んでいきます。
1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。 


構成・文/松崎育子
 

 
 
 
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