「すいません」から始まる衝撃の夫のLINE

「ちなみに話し合いの最中、夫は特に反省する様子もなく、あっけらかんとしていました。女性側と同じく『別に君に損はないでしょう?』というスタンスで、一貫して悪気のない様子で。

それどころか、帰りの電車で始終無言だった私に『そこまで嫌がるなら、産んでくれたらよかったじゃないか』と不満を言い始めました。疲れて無視していると、『なら、君が子ども産んでくれるの?』とまた言い始めたので、私のことを少しでも思いやる気持ちがあるなら、この話はもう二度としないで欲しいと伝えました」

もう20年近くも連れ添った夫婦だったこともあり、お二人はすでに夫婦生活は数年以上ない状態だったと言いますが、楓さんはこのときから夫と触れ合うことを一切やめたそうです。

 

医師として、父親としての尊敬する面や必要性は消滅しないまでも、夫としては見限ったのだそう。

「相手の女性を訴えることもしませんでした。手間もかかるし、お金が欲しいわけでもなく、何よりやはり原因は夫ですから。一度だけ赤ちゃんの写真を見ましたが、それきりです。積極的に認めたいわけではないですが、たしかに彼らの言う通り、特に私の生活が邪魔されることもありませんでした」

 


衝撃的な事件も、時間が経てば意外に風化していく。楓さんは苦い記憶に蓋をして、職場でも家でも当たり障りなく過ごしていました。

夫がたびたび家を空けることは増えたものの、楓さんも夫ヘの関心は完全に消えてしまい、大して気にもならなかったそうです。

しかしその後、なんと再び、夫は家庭外にもう1人子どもを作ったのです。

「2回目も突然、今度はLINEで報告されたんです。『すいません。もう1人生まれます。次も男』と。たぶん、また私に激怒されるのを彼なりに避けてLINEにしたんじゃないでしょうか。もう返事をする気にも、前回のように詮索する気にもなりませんでしたが、妊娠したのはまた別の女性で、ラウンジというキャバクラに似たお店で出会った、迷惑はかけないと時間差で報告されました」