流行も政治も事件も、社会で起こっていることはなんであれ、いち早く取り入れるのが韓国ドラマ。実はアメリカよりも早い2016年のタイミングで#Metooの波がやってきた韓国では、以降、多くのドラマで女性が強いられる理不尽や差別にたいして「どうなのこれ」という視点が描かれています。ということで今回は、3月8日の「国際女性デー」に見たい韓国ドラマをご紹介。お隣の国の女性たちの頑張りに、ぜひぜひエンパワーメントされちゃってください!

 


『私の夫と結婚して』

Amazon Original 『私の夫と結婚して』 Prime Videoで独占配信中 © Studio Dragon by CJ ENM

今年上半期に、女子たちの圧倒的支持を得た復讐もの。主人公ジウォン(パク・ミニョン『キム秘書はいったい、なぜ』)は、マザコンでモラハラで甲斐性なしのミンファン(イ・イギョン『赤い月 青い太陽』)との結婚生活に疲れ果てた末にガンを発病、さらに実は夫と不倫関係にあった親友スミン(ソン・ハユン『サム、マイウェイ』)によって亡き者にーーところが死んだはずの彼女が目覚めると10年前の自分に戻っていた。二度目のチャンスを得た彼女は「何が起こるか知ってるアドバンテージ」を最大限に利用し、まずは自分を利用していた親友をクズ夫と結婚させようと目論み……。

それなりに歳を重ねると「今の自分なら、絶対にあんなクズ男と結婚しなかった」というようなことは誰もがあるもの。ジウォンの心境はまさにそれで、物語は彼女が無意識のうちに奪われていた「自分」と「自分の人生」を取り戻す過程を描いてゆきます。

そのために必要なのは「今の自分なら、あんな理不尽を決して受け入れない。絶対に負けない」というのを積み重ねること。この作品にも韓国ドラマのご多分に漏れず、彼女のことを支える金と力を持った御曹司がでてくるんですが、ジウォンがいたずらにそれを頼りにしないのもポイントで、それこそがまさに彼女の精神的な自立と強さにつながってゆきます。

Amazon Original 『私の夫と結婚して』 Prime Videoで独占配信中 © Studio Dragon by CJ ENM

同じように理不尽を強いられる女性たちとの連帯も描かれており、それによってみんなの人生が変わっていくのも最高。『グローリー 輝ける復讐』ばりの強烈な(でもどこか間抜けな)悪役を、これまた『グローリー』ばりの緻密な計算でうまーく追い込んでゆく過程も、スカっ!とできるエンタテイメントとして抜群です。