出会い、共演、ワークショップ…、いろいろなご縁が繋がって


――2022年の『THE BEE』に続いて2度目のNODA・MAP 出演になります。そもそもNODA・MAPに出演するきっかけはなんだったのでしょうか。

長澤まさみ(以下、長澤):野田秀樹さんの作るNODA・MAPの世界が大好きで、以前から何作も観ていましたが、出演できるようなご縁はなかなかないだろうなあと勝手に思っていました。それが、2016年、永山瑛太さんが出演された『逆鱗』を観に行ったとき観劇後、楽屋に挨拶に行くと、瑛太さんが野田さんに「長澤さんがNODA・MAPのワークショップを受けたいみたいですよ」と言ってくださって。それがきっかけになったのではないかなと(*ワークショップとは参加、体験型のレッスンや講座のようなもの。野田秀樹はワークショップを作品の実験の場とし、創作や構想を練ることもある他、新しい役者たちとの出会いの場でもある)。野田さんも、当時、私が松尾スズキさん演出のミュージカル『キャバレー』(17年)に出るという話を耳にして、少しだけ私を認識してくださっていたようで。いろいろな繋がりによって、願いが実現したんです。私はふだん、積極的に外に出ていくほうではないですが、思いきって外に出ていくと、何かいいことがあるものなんですね。皆さんにも外に出ることをおすすめします(笑)。そういうご縁もあって、今回、瑛太さんと共演できることも嬉しいなと思っています。

 

――今回の『正三角関係』では松本潤さんも出演されます。松本さんとの共演経験はありますか。

長澤:三谷幸喜さんが脚本を書かれたスペシャルドラマ『わが家の歴史』(2010年 フジテレビ)以来の共演になり、すごく嬉しい気持ちと同時に、久しぶりに一緒のお芝居をする緊張とがあります。私の印象では、松本さんは嘘のない、いつも本音で会話をしてくれるかたなので、信頼して、ついていきます! という気持ちにさせてくださいます。芯を食った発言をされるので、私も曖昧な言動をしてはいけないなと身が引き締まります。
 

 


――3人が集まる稽古が楽しみですね。

長澤:稽古はまだこれからですが、事前にワークショップが行われ、そこで松本さんと瑛太さんとご一緒しました。そのワークショップは、いわゆる準備段階の実験の場というようなものではなく、すでに本格的な稽古がはじまったかのようでした。いや、“本気”の稽古でした(笑)。にもかかわらず、おふたりとも、さすが大先輩、どんな課題も瞬時にやってのけてしまうんです。その表現力に圧倒されつつ、その瞬間を目の当たりにできることに喜びを感じました。瑛太さんは独特のユーモアのセンスがあって、笑いをとっていました。

――長澤さんも、デビューから20年以上、実力を着々と蓄えていらっしゃると思うのですが。

長澤:いえいえ、おふたりに比べたら、全然です。おふたりとも、出会った頃から頼もしい存在で、いつも先を歩き、引っ張っていってくれる先輩たちなので、私はただただ足を引っ張らないようにしたいと思っています。