これまで演じた役柄、それぞれでの“工夫”
 

ーー「ACMA:GAME アクマゲーム」で演じる織田照朝について、役柄の解釈と、演じるときに大切にしたことをお聞かせください。

間宮:照朝の人物造形は、父親と約束した“欲望”にまつわる考え方が核になっています。かつ、父親の死の真相に関わる悪魔の鍵の謎を明らかにすることが照朝にとって人生の大命題になっていて、全ての行動原理がそのためにあります。強い意志と行動力が大前提としてあると思っているので、主人公ではありつつ、その強い意志みたいなものがにじむといいなと思っています。なので、どこかダークヒーローに見えてしまうぐらいの強さを押し出して演じようと思っていました。

 

ーー本当に楽しみですが、現時点では映像を見ることができないので、過去の出演作での“工夫”についていくつかお聞きしたいです。まず、「ナンバMG5」(2022年)では、難波剛の二面性をどう演じ分けましたか?

間宮:“シャバい”剛と特攻服姿の最強ヤンキーの剛を演じ分けるのは、実は簡単なんです。優等生とどヤンキーを別々の役として作って、1個の作品の中で真逆のことをやれば「全然違うね」と言われるとは思うんです。とはいえ両極の役をポンと出しただけでは役の“ガワ”を見せているだけですし、役と役に重なりがないと1つの役柄としての層がありません。重なる部分から、それぞれの塩梅を探っていきました。

 

ーーその重なる部分が剛のコアなのかなと思いました。

間宮:そうですね。テンション的にはTPOに合わせている感覚でした。1人の人物の中に、ヤンキー一家にいるときのスタンダードと、進学校で「そうありたい自分」でいるときのスタンダードがあるという捉え方がうまくいったような気がします。

 


ーー映画『破戒』(2022年)で演じた主人公の瀬川丑松が、尊敬する人物が亡くなった報せを受けて畳の上に仰向けになり、声を押し殺して咽び泣きます。身体的な表現を最小限にすることで、内面の苦悩や悲しみがより伝わってきました。
 
間宮:演じているときに感情をブワーッと出すと、ドーパミンが分泌されるのか、気持ちいいという表現が正しいかはわからないですが、ハイになるんです。『破戒』に関しては、作品上も役柄上も、感情を表に出して気持ちよくなってはいけないなと思ったんです。自分の感情を閉じこめよう閉じ込めようとするけれど閉じ込められないという瞬間が訪れたらいいなというアプローチでした。生徒たちに“告白”をするシーンまでは、とにかく感情を閉じようとしていました。

ーーちなみに、過去の出演作で「やたらほめられたな」という作品はありますか?

間宮:『破戒』も「ナンバMG5」もほめていただきましたが、それ以外だと『殺さない彼と死なない彼女』(2019年)も言っていただきますね。

ーー具体的に、どんな風にほめられますか?

間宮:なんか……すごくいいって言っていただけて(照れ笑い)。ネタバレになっちゃいますけど、自分的には死ぬのが自分の役なのであまり泣けないというか、そこまで感傷的になれないわけです。でも、すごく泣けると言っていただけて。あと、「劇画感がない芝居もするんだね」みたいなことも言われました。内省的な感じの役は意外性があるんでしょうね。「俺だってやろうと思えば(できます)!」みたいな(笑)。

ーー「熱いお芝居をする人」というイメージを持ってる人は多そうです。

間宮:そういう役が多かったですしね。10代後半から20代前半にかけては特に。