周りと違うことを大人が許してくれなかった


ー​ー以前のインタビューで、「『喋り方とか動き方を変えないと意地悪されるよ』と、学校の先生から言われたりもしましたが、全く変える気もなかったですね」(CHANTO WEB加藤諒さん「相手を否定することから入らない」という母の教え)とおっしゃっていました。先生からそんなことを言われたのはいつなんでしょう。

加藤:先生に限らず、人と違うことを指摘されることがありました。まず幼稚園のときに、僕が七夕の短冊に「人魚姫になりたい」って書いたときがあったのですが、友達のお母さんがそれを見つけて、僕の親に「ねえあなたの子、こんなの書いてるよ」みたいに言ったことがありましたね。

先生からも、連絡帳に「おままごとでスカートをはいていてびっくりしました」と書かれたことがあって、僕って普通じゃないんだって思うようになりました。周りとの違い、違和感みたいなものを感じていました。

小学校に入ったとき、自分のことを「うち」とか「りょうは~」と言ってたんですが、先生たちから、「その呼び方は女の子が使う言葉だから、僕って言いかえなさい」と言われてました。小4くらいのときに、帰りの会で一度、自分のことを「僕」って言ったときに、先生が「皆さん、諒くんが自分のことを僕って言いましたよ。拍手しましょう!」って言ったんです。

ー​ーめちゃくちゃ怖いんですけど!

加藤:本当にトラウマで。「僕」って言っただけで、なんでこんなに拍手されるんだろうって思ったし、その先生は本当に「僕」っていう呼び方じゃないと駄目だったんだなって思いましたね。

 

中学生のときも、自分のことを「うち」って言ってたら、先生に「うちって別に方言とかじゃないよね?」「それって女子が言う言葉だから、ちゃんと僕って言った方がいいよ」って言われたりとかしてましたね。

 

ー​ー子どもにとって先生って大人の代表ですよね。先生がそういう感じだと、大人不信になりそうです。

加藤:僕が小さい頃や学校生活を送っている中では、そういったいろんな強制みたいなものは、結構当たり前にありました。