世界的に著名な建築家でデザイナー、ピエロ・リッソーニのミラノの事務所で見たのは、美しい本の佇まいでした。シンプルな白い本棚に雑誌が入っています。縦と横、きちんと並べて、重ねて置かれた本。色もサイズもまちまちなのに、どうしてこんなにすっきりと見えるのでしょう? 理由はそれぞれの山が「ひとかたまり」になっているから。ぴしっと揃えられた角にも注目です。本が一冊一冊でなく、キューブのような塊になるとこんなふうに、整然とするのですね。これを可能にしているのは、人の手。整える、並べる、触れる。人の手が感じられるから、よけい美しいと思うのではないでしょうか?