最近、愛用している時計は2本。どちらもメンズウォッチなのですが、ひとつは、5年ほど前に夫からもらったブライトリング。彼が初めて購入した時計で、ずっと大事にしていたものでしたが、「フェイスが小さめだから、似合うと思うよ」と譲ってくれました。
もう一本は、私が夫の誕生日にプレゼントしたオメガの「スピードマスター スヌーピーアワード」。「40歳のビッグパーティに贈ろう!」と思いついたまではよかったのですが、プレミアウォッチとは知らず、手に入れるのに四苦八苦! ようやく入手したので愛着があるというのもありますが、実は私も意外とキャラクター好きで(笑)、時々拝借しています。
もともと時計は、レディスでもマニッシュなタイプが好み。それを、ハイヒールやレース、ファーなどと合わせて、グラマラスに着けこなしたいと思っています。デザインのコンセプトも同様ですが、ファッションに関して、私の根底にあるイメージは、ヘルムート・ニュートンが撮った、イヴ・サンローランのチョークストライプスーツを着る男装の麗人なのです。“鋼鉄とフラジャイル” “美しさのなかの強さ”というような、相反するものを結びつけた時に生まれる美しさにフォーカスしたい。強くなりたいと願うと同時に、そうなれない自分へのジレンマのようなものが、すべての原動力になっているところもあるんですね。時計は、私のなかでは、マニッシュなアクセント。フェミニンなハイヒールを愛しているので、バランスを取っているのかもしれません。
以前は、時計は時間を見るために1本素敵なものがあればいいと考えていましたが、最近、携帯で時間をみるようになったら、別の感情を抱くように。時計は、自分の“余裕と贅”を表すもの。今も憧れの時計がありますが、いつか自分が“その場所”に到達したら、手に入れられるのかもしれませんね。
CREDIT:
スカート/AKIKO OGAWA.
靴/マノロ ブラニク
PROFILE 小川 彰子さん
「AKIKO OGAWA.」「AKIKO OGAWA. Lingerie」デザイナー。マスキュリンなテーラリングと女性らしさを融合させたスタイルが働く女性の支持を集める。また、エレガントなドレスラインは国内外のセレブリティからも大好評。2016年にはランジェリーラインもスタートし、今年はパリのランジェリー総合展示会に出展するなどグローバルに活躍中。プライベートでは、イギリス人の旦那様と3歳の息子さんの3人家族。