2018年が晴れやかにスタートしました! 新年が始まるこのタイミングで、新しい時計が欲しくなる人も少なくないのではないでしょうか? 毎日のように身につける時計は、単なるファッションアイテムというよりも、もっと親密なパートナー。一緒に時を刻んでくれるような気がするからこそ、年明けや誕生日、大きな仕事を達成したタイミングなど、節目を迎えた時に手に入れたくなるのかもしれません。

そんなパーソナルな存在だからこそ、選ぶ際もひときわ慎重になってしまうものだと思いますが、たとえば、編集部のまわりにいるおしゃれな人たちは、どんな時計を愛用しているのでしょう? あらためて調べてみると、やはり!と言うべきか、カルティエ派が目立ちます。なかでも、アイコニックなコレクションである「タンク」ウォッチは、スタイリストやファッションPRといった業界の最前線で働く人のハートをも、がっちりと掴んでいるよう。
 

スタイリスト 福田麻琴さん
「タンク フランセーズ」

福田さんが最初に手に入れたのは、スタイリストの師匠が愛用していた憧れの「タンク フランセーズ」。ステンレススティールのマットな輝きとリュクスななかにもシャープさのあるデザインは、カジュアルスタイルにもぴったりで、デイリーに愛用中。

タンク ルイ カルティエ

きちんとした場面で着けられる時計が欲しくなり購入したという「タンク ルイ カルティエ」。着けるだけで背筋が伸びる存在感は、気合を入れたい日のスイッチとしても。案外、デニムスタイルにも合うので、とても重宝しているそう。

PROFILE 福田 麻琴さん

女性誌を中心に広告、CM、カタログ、タレントのスタイリストとして活動中の2009年にフランスへ留学。1児の母。自身のおしゃれを綴ったブログも人気。

 

スタイリスト 田中雅美さん
「タンク ルイ カルティエ」

二十歳の頃、イヴ・サンローランと同じ「タンク」に憧れたという田中さん。数年後に「コレクション・プリヴェ・カルティエ・パリ」の「タンク ルイ カルティエ」に出会った時、まさに清水の舞台から飛び降りる思いで購入したのは、“遅かれ早かれ手に入れる”確信があったから。10年以上経ってもまったく飽きることのない研ぎ澄まされたデザインには、今でもたびたび感動させられているとか。

PROFILE 田中 雅美さん

1978年生まれ。スタイリストとしてエディトリアルを中心に、広告やカタログ、女優、タレントまで、手がけるスタイリングワークは多岐に渡る。ハンサムな中にフェミニンさの垣間見えるスタイルを得意とし、特にエッジなトレンドと愛される名品の絶妙なミックスを日々のスタイリングテーマに掲げる。

 

ファッションプロデューサー 関戸智美さん
「タンク フランセーズ」

肌馴染みのいいピンクゴールドの「タンク フランセーズ」は、“1年のうち350日は着けている”というほどお気に入り。関戸さんいわく「男性の人生にたとえるなら“最後のオンナ”的な存在」。20年くらい着け続けてきた時計は、もはや身体の一部だとも。山あり谷ありの様々な時間を一緒に歩んできた人生の証人として、今後も大切に使い続けていきたいそう。

PROFILE 関戸 智美さん

edit & co. 代表。ブランドのプロデュースやディレクション、PRを手掛けるedit & co.を2007年に設立。現在は、カウチンニットや上質なカシミアストールのコレクションからなるオリジナルブランドedit & co.を展開。

 

戦車の形をモチーフとして1917年に誕生した「タンク」は、後に流行したアールデコの先駆けになったデザインとも言われる時計界の名品。誕生から100年を経ても少しも色褪せることのない、まさに不朽の名作です。代表的な「タンク ルイ カルティエ」をはじめ、「タンク フランセーズ」や「タンク アメリカン」など、様々な派生モデルが生まれているのも人気の証。

そして、おしゃれのプロのみなさんは、自分にフィットするモデルを吟味し、時にカジュアルに、時にモードに、自分らしいスタイルに落とし込んでいるようです。過去には、ジャッキー・オナシス・ケネディやダイアナ妃、アンディ・ウォーホルやイヴ・サンローランも「タンク」を愛好する「タンキスト」として知られていたそう。昨年100周年を迎えたタンク。その進化を今後も見守りたいところです…!

構成・文/村上治子