ニューヨークにおいて、私が仕事でもプライベートにおいても敬愛するふたりの女性がいます。

おひとりは猪野美錦子さん。彼女とのお付き合いは私がちょうど二十歳の頃なのでもう25年ものお付き合い。一緒に仕事もやっていたこともあり、姉のように慕う大切な友のおひとりです。

この日も素敵な着こなしの猪野さん。モノトーンながらメンズライクな上質な仕立てのジレを女性らしくセンシュアルなムードに。ジレはロロピアーナとコラボした「Creatures of comfort」のもの。

美しく、いつもスタイリッシュ。そして何よりおおらかで誰からも尊敬と愛されるキャラクターはまさにお手本にしたい大人の女性。

主にファッションのお仕事でNYと日本の架け橋になっていましたが、画家である旦那さまが昨年他界され、残された彼の作品やアートセンターの管理、そして様々な個展の準備に駆け回る毎日です。

画家 KIKUO SAITO氏。私も何度かお会いしましたが、ピュアという言葉そのものの方でした。日本ではあまり認知されていませんが、モダンアートの日本人先駆者としてニューヨークを拠点に活躍し、海外では名高いアーティストのおひとり。彼の作品はMOMA美術館などにも置かれているほど。
彼の魂は今も作品に宿り続けています。猪野さんはそれを伝えるべく、日々ギャラリーとのコンタクトやオーガナイズに奔走する日々。

住まいは人気エリア ソーホーの一角。アトリエとして兼用していたため、まさに彼のアートに囲まれた生活。

エントランス。猫のタマちゃんお出迎え。
住居の一角にあるアトリエ。生前のままこの場所はキープされています。
 
寝室。壁面のレンガと作品が一体化した、ソーホーらしい空間。
彼の作品や思い出が飾られた一角。
リビング。どの部屋を見てもさりげないディスプレイを真似したい。整理整頓する美しさとは違って、見せて楽しむ・・・というワザはセンスがあるからこそ成せるワザ。

足を踏み入れた途端、作品たちのことを色々話してくれた記憶が昨日のように蘇ります。変わらないアトリエと彼の作品が無造作に並べられた部屋は、亡くなった今でも彼の存在がそこにあると感じさせずにはいれません。

センスある心地よい空間。ご夫婦で紡いだ素敵な時間と空気がそこに流れていました。

ニューヨーク郊外にある彼のアートセンター「KinoSaito(キノサイト)」の代表を務める猪野さん。今発売されているミセス4月号・5月号連載〈花のある暮らし ニューヨーク〉にて、その素敵なラウンジルームと作品が紹介されています。ご興味あればぜひご覧ください。
 

もうおひとりはMAKIEさん。子ども服でも人気のある「MAKIE」のデザイナー兼オーナーで、ご存知の方も多いかもしれません。何度か私のブログでも代官山のショップをご紹介していますが、彼女の子ども服は世界のセレブリティーに愛され、ジェシカ・アルバ、ソフィア・コッポラ、ジュリア・ロバーツ、リリー・キメル、ペネロペ・クルス、ヴィクトリア・ベッカム、ケイティ・ホームズ、ビョーク、オノ・ヨーコ、アナ・ウィンターなど錚々たる顧客が名を連ねています。

そんな彼女の生活のベースもソーホー。そこは代官山のMAKIE HOMEショップの世界が広がる、シンプルでかつ機能性に溢れた生活スペースです。

 
 
こちらの収納も見せる収納法。リネンや器などもMAKIEさんの審美眼にかなったこだわりのあるものが並べられています。たくさん置かれたベースはGenevieve Chevallierの作品。MAKIE HOMEでも取り扱いされています。
スッキリまとめられた無駄のないキッチン。
なんと摩天楼をバックに広々としたルーフトップ付き!夏場はここでバーベキューを行うとか・・・
MAKIEさんのブックには、彼女のファンでもある数々の有名カメラマンの作品が。素敵な作品が無造作に飾られているリビング。
彼女の素敵なライフスタイルはREMODELISTAにも掲載されています。

ニューヨークという大都市で、女手一つ二人の息子を育てながらショップを構え、経営していく・・・そんな厳しい現実を突きつけられつつも成功を成し遂げたMAKIEさん。

素敵なライフスタイルは降って湧いたものでなく、彼女の日本人としてのアイデンティティや審美眼がクリエイティブに活かされ、この地で認められたからこそ。

 

海外の地で活躍するミモレ世代のおふたり。

彼女たちのたくましさとポジティブな生き様、そして素敵なニューヨークライフに魅せられる束の間の時間でした。