「レース屋の娘」というのは私のこと。実家は、名古屋で70年ほど続くレース問屋を営んでいます。幼いころはよく、休日仕事をする父に、姉や妹とくっついていきました。レースの切れ端をもらっては髪に巻いてみたり、ノートに貼付けて今思うと生地見本のようなもの(笑)を作って遊んだり…。
2年前の結婚式では、実家のレースを使ったオーダーメイドのウエディングドレスを着ました。普段店頭に立つ母に「このデザインだとこのレースを使うと素敵なのよ」「こっちだとドラマティックに仕上がるのよ」などと教えてもらい、それをいつも会社がお世話になっているデザイナーさんに製作してもらって。…「継ぐ」という選択こそしませんでしたが、やはり私の根っこの部分にはレースへの愛着があるなぁと、つくづく思います。
こう語ると、さぞかしクローゼットにはレースがあるだろうと思われるかもしれませんが、実は全然ありません。というのも、愛着があるがゆえに、本当に「コレ!」というものでないと欲しいと思わないから。レース屋の娘としての小さなプライドですね(笑)。
そんな私が「レースが欲しい」と思ったとき、いつものぞくのが“ウィム ガゼット”。2年前、黒のリバーレースのスカートに出合ったのがきっかけです。繊細な透け感と他では見たことのない、オーバルをモチーフにしたレース、そして何と言ってもロング丈が気に入りました。昨年はちょっとタイミングを逃してしまい、サイズがなかったため泣く泣く見送ったので、今季の新作は早めにチェックしました。
それがこのチョコレートブラウンのレーススカート。これは草花のレースではあるのですが、ぎゅぎゅッと密集しているため、ダマスク柄に似たエキゾチックな雰囲気。“ウィム ガゼット”のレースはインポートのものを使っているようなのですが、その選びのセンスに絶大な信頼を寄せています。甘くない、コンサバじゃない、老けない、でもちゃーんと上質。もちろん、安い買い物ではありませんが、この先何年も愛せると確信しているので、コスパがいい気がします。
本当は争奪戦になると困るのでこっそり着ておきたいところですが(笑)、でもやっぱりいいモノは共有したい。だから大声で叫ばせていただきます。
「コレ、おすすめーーー!」です。
白Tやビーサンでカジュアルに。いいレースはカジュアルもちゃんと受け止めてくれます。
ちなみにこれは去年の私。ユニクロユーのメンズTを合わせてゆるっと着るのにハマっていたようです。
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