バーでバイトをしていたとき、カウンター裏のクーラーボックスの中に、コロンとした小玉すいかを見つけると「今年もいよいよ来た!」と、ニンマリ嬉しくなった。

やって来ました、夏時期だけの特別メニュー「ラムすいか」!

材料は、すいかとラム酒だけなのに、
すいかの甘い余韻の先にラム酒がこっそり乗っかってくるような、
不思議な飲み心地に、ひととき、暑さを忘れるのである。

 

すいかが出回る頃は、毎年1回は、ラムすいかを作る。夏場のお客さまのアペリティフには、必ずラムすいかをお出しする。
魅惑的な真っ赤な風貌に、皆、目をキラキラと輝かせ、ひと口含ませて、頰をほころばせるのだが、その作り方は、絶対に見せてはならない。

マスターの必殺技、洗濯ネット搾り!は、少々衝撃的。新品(ここ重要!)の洗濯ネットに、くり抜いたすいかを放り込み、ぎゅーと手で絞る。果汁と果肉がきれいに分かれる最適アイテムなのだとか。

 

◎今日のラムすいかの作り方。
 三角フォルムのグラスは、ガラス作家小澄正雄作。

真っ赤なすいか
ラム酒

1)すいかをスプーンでくり抜き、洗濯ネットに入れる。
注:欲張って端の方まで入れると青臭くなるので、ここは贅沢に柔らかい赤い部分のみ。
2)ボウルの中で、思いっきり1)を絞る。
3)グラスに、15mlほどのラム酒を入れ、2)を注ぎ入れ、氷を1つ落とす。

撮影/白石和弘

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