ご家族やご友人と過ごしたり、ひとりのんびり旅に出られたり、最近はいろいろなスタイルのお正月がありますね。

今から御節や正月の食卓のスタイリングの準備をするのは大変なことですが、ひとつだけぜひやってみてはということをご紹介したいと思います。

(この記事は2018年12月30日に掲載されたものです)

「祝い箸」です。

 

祝い箸とは、その名の通りおめでたい席で使うお箸のことです。
両はしが細く、真ん中が太いことから「俵箸」「柳箸」と呼ばれることもあります。
長さは末広がりにちなんで「八」寸、箸袋に入っていることが多いです。

 
オーソドックスな祝い箸はもちろん、最近はこんなモダンなデザインのものもあります。 箸袋がないものは、自分で折ってみてもたのしいですよ。

お正月につかうときにはいくつかルールがあるので、ぜひご確認を。

 


・大晦日に、家長が箸袋に全員の名前を書く(ただし、家長の分だけは「主人」と書く)。

・1膳余計に用意しておき、それには「海山」と書き、取り箸に使う。

・両端とも細いのでどちらも使えそうだけれども、使うのは必ず片方のみ。もう片方は歳神様が使うために使用しない。

・松の内(1/7まで)は同じ箸を自分で洗って使い、お札やお守りなどのお焚き上げと一緒に燃やしてもらう。

御節はもともと神棚にお供えして、そのお下がりをいただくもの。
お正月の祝い箸は、新しい年の歳神様と一緒に御節をいただくという「神人共食」の意味があるのです。感謝の気持ちで歳神様をお迎えし、「祝い箸」で神様と食事を共にし一年の恩恵を授かりましょう。

日本の昔からの習わしには、神様やご先祖さまに敬意をもち、自然やその移り変わりの美しさを楽しむ心が根づいています。2019は、こういった暮らしを楽しむための歳時記やスタイリングについてもご紹介したいなと考えております。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

(この記事は2018年12月30日に掲載されたものです)