女性の「美の変革期」は3回〜美容医療は今のキレイをキープするもの
松倉クリニック代官山の3階にある「大竹ラボ」は、2019年春開業以来、知る人ぞ知るクリニック。国内外から患者が訪れ、今では半年先の予約も困難と言われています。開業したのは聖路加国際病院の形成外科を設立した大竹尚之先生。「心にコンプレックスを抱いた女性たちの声に寄り添いたい」と話す先生に最新美容医療とクリニックのあり方について、お話を伺いました。
美容医療の歴史の始まりは……
美容医療の歴史をさかのぼってみると、そんな昔の話ではないんです。元をたどれば、美容医療ってものすごく狭い世界での名称で、医療業界でも認知が低かった。というのも、当時もどこからどこまでが美容医療の領域なのかという定義すらなかったし、基準もなく、人ぞれぞれで異なっていましたから。
例えば、足にケガをしたとします。傷口を縫合したり、(傷跡が)目立たないようにキレイにしてあげる。これら基礎疾患は形成外科が担当するんです。
では、美容医療は?
治療内容は変わらないけど、「キレイになるための治療」というのは形成外科だけではできなかったんです。
女性は人生に3度「美しさの変革期」がある
たくさんの患者さんたちと向き合い、話を聞くとあることがわかってきました。それは女性たちの「キレイへのこだわり」です。女性には人生に3度、美しさの変革期が訪れるということ。
1度目は20歳前後。異性を意識し始める頃です。好きな男性に好かれたいと思い、キレイ磨きをする、キレイになることへの目覚めかな。
2度目は40代。結婚・出産をし、子どもたちが学校に行き始めると自分の時間が持てるようになりますよね。子どもや家族に向けていた目が自分に向けられることによって、“アラ”に気づいてしまうんです。鏡を見て「あれ?こんなに疲れ顔なの?」とか、SNSの投稿を見て「シワがある」「たるみがある」とエイジングサインと向き合うことになるのです。
旅館の女将の話が印象的でしたね。「劇的に変化する治療は求めていません。今の状態が維持できるための治療を行なってください」と言われ、そうかと(笑)。ご自身のアイデンティティを大切にされている。キレイが続くための治療、これが美容医療のあるべき姿なのだと教えられました。「キレイになるために今、できること」を仕切り直すのが40代なんです。
3度目は60代以降。人生100年時代。折り返し地点を過ぎ、年齢を重ねることを受け入れる余裕も出てきた。その上でキレイを目指すことができるのが60代以降の女性。理想なのは「元気に見える」ことであり、若返りではないんです。
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