最新刊『大草直子のNEW BASIC STYLE』を今年上梓した、ミモレの大草直子コンセプトディレクター。約2年ぶりとなるスタイリングブックには、”ベーシックこそ毎年生まれ変わるべき”という大草ディレクターのニューベーシックスタイルが満載。そこで今回は、本著からピックアップしたアイデアを、全5回にわたってご紹介していきます。第1回は、ジャケット編をお届けします。
ジャケットほど、「女っぽい」アイテムはないと思っています。
なだらかな肩を直線で縁取り、ウエストの位置を印象づけ、そして襟やボタンで顔立ちを、優しくも凛々しくも見せてくれる。もちろん、外見のクオリティアップだけではなく、どこにいても、そしてどこから見られても「美しくいること」で、自信が生まれます。そのことが、私たちをより美しく見せてくれる、と実感します。
もしジャケットを、仕事の場面やきちんとしたシーンのためだけの1枚――と思っているなら、もったいない!デニムやTシャツを合わせて、カーディガンのように気軽に羽織れる、も条件に選んでみたら?そう、「気軽に」着られるジャケットは、さまざまな着こなしを連れてきてくれるから、毎年コーディネートを更新できるのです。
【大草ディレクター流NEW BASIC STYLE】
テーラードジャケット
ウール混のマスキュリンな素材、深くエレガントな黒。そして異素材のシルクを使ったショールカラーとダブルブレスト。真面目なだけでなく、カジュアルダウンできるのは、こんな1着。
着るだけではなく羽織る。それができるのは、正統の1枚
「”今日ジャケットを選んだ醍醐味”は、自分らしく”着くずした”瞬間の女っぽさに宿ります。肩の位置のしっかりしたジャケットは、肩掛けでもさまになる1枚。少しのぞく肌を計算して、インナーはノースリーブに」
サファリジャケット
サファリジャケットは、作家アーネスト・ヘミングウェイが愛用していたことでも知られるアイテム。胸ポケット、ウエストベルト――実用のためのディテールがデザインポイントに。
美シルエットのパンツで「-1.5kg」を目指して
「形のしっかり決まったジャケットは、女性の身体をシャープに見せてくれます。さらに、美しいラインのパンツをプラス。これだけ直線的なラインで包んであげれば、見かけダイエットは成功です」
ネイビージャケット
黒に極めて近い、深いネイビー、そして真っ白なボタンは、「紺ブレ」というよりモードな印象。光沢のあるメンズライクな素材だから、超カジュアルからオフィシャルまで着回せる。
ひまわり色と合わせて「夏のトラッドカジュアル」に
「青みの少ないネイビーだから、華やかな色ともバランスがとりやすいんです。アイビートラッドでよく見る、「×イエロー」で、育ちのよいカジュアルに。色のサンダルにすることで女性らしさもプラスします」
ツイードジャケット
10年近く着ているツイードジャケット。カーディガン代わりに羽織れて、さまざまな色がミックスされたファンシーツイードだから、どんな色のアイテムともうまく手をつないでくれる。
小物を白で統一すると、一気に夏仕様に
「小物を明るい色、特に白にすると、全身の印象がぐっと明るく軽くなります。ウールミックスのツイードは真夏以外着られるから、例えば夏の初めは、白のバッグとサンダルで季節感を出して」
次回はワンピース編をお届けします!この他にも、『大草直子のNEW BASIC STYLE』には、今すぐ真似したい、大草ディレクターの最新コーディネートが満載です!
<書籍紹介>
『大草直子のNEW BASIC STYLE:理論派スタイリストが私服で解説! ベーシックがいつも、いつまでも新しい理由』
大草直子 著 三笠書房
約2年ぶり、待望のスタイリングブックである本書は、大草直子の考える「ベーシックスタイル」のすべてが分かる決定版。この数年、インスタグラムなどのSNSでさまざまなおしゃれ情報があふれ、おしゃれは「服を次々に買う」「アイテムで盛る」方向に動いてきました。そのように混沌としたなかで、あえての「ベーシックスタイル(普遍的なデザイン、長く着られる服)」を持ち、一枚の服を工夫して大切に着られる「育ちの良さ」がある人が、これからは本当の“おしゃれ”だと考えます。
★ベーシックスタイルとは?
★ベーシックスタイルをブラッシュアップして、いつも素敵に見せる方法とは?
その解答を書き下ろしエッセイ&オール撮り下ろし144コーデでお教えします!おしゃれにもう、悩まなくなる1冊です。
撮影/川﨑一貴(MOUSTACHE)〈人物〉、坂根綾子〈静物〉
文/出原杏子
「大草ディレクター考・ベーシックをアップデートする方法【ワンピース編】」は3月22日公開予定です。
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