「季節を愛でる」と聞くと、何かとても風流なことのように思うかもしれません。でも、暑くなったとはいえ、四季のある日本では季節は自然と暮らしに入り混んでいるものです。夏の緑の濃さでさえも、季節の表れ。私にとっては、夏のハーブももそのひとつ。代表格はバジルと大葉。この二つは、ベランダでもキッチンの近いところに鉢を置いていつでも摘めるようにし、頻繁に料理に使っています。イタリアの取材で素敵だなと思ったのは、朝食のための外のテーブルに、バジルの鉢が置いてあったこと。花ではなく、ハーブを置く。これも夏ならではです。もちろんトマトのサラダはここからバジルを摘んで作ります。眺めて、使うーー春には山椒を、秋には紅葉を。そんなふうに、小さな鉢で食卓に季節を取り入れる気持ちのゆとりを、いつも忘れずにいたいと思います。
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