今日は重陽の節句、不老長寿や子孫繁栄を願う日です。3月3日は桃、5月5日は菖蒲、7月7日は笹、そして9が重なる今日は菊の節句と呼ばれています。

諸江屋(金沢)の「菊花せんべい」は、最中の皮のようなふわっとしたおせんべいにほんのり黄色い生姜糖がかけてあります。口に含むと幸せに…♡この時期私が必ずいただくお菓子です。お薄と共に。

能や日本舞踊に「菊慈童」という演目があります。邪気を払い延寿の力があるとされる菊により700年もの間生き続けてきたという童子のお話です。まさかまさかではありますが、そのくらい菊は大事にされていたのでしょう。

私の愛読書の「今月使いたい茶席の和菓子270品」より。同じ「着せ綿」でもお店によって雰囲気が違います。美しいお菓子は見るだけでも楽しいのです♡

古来より9月9日は、お酒に菊の花を浮かべて飲んだり、前日の夜に菊の花の上に綿をのせておき、9日の朝に露を含んだ綿で体を拭く(と長生きできる)というような慣習がありました。さすがに現代では…ですが、この時期の和菓子「着せ綿」はその名残を感じることができます。紅い菊の花を模した練り切りやこなしの上に細かいそぼろ状の白いきんとんがふわっとかぶせてあります。菊と綿を型取っていて、見た目にもとても可愛らしいのです♡この時期いろいろなお店でいろいろな「着せ綿」を求めることができますので、ぜひお手にとって愛でて味わってみてください。