親でも師匠でも、先人を継ぐことについて考えることがあります。特に伝統に関わるもの(工芸でも芸能でも)は、継ぐ人の中に師匠が息づくことだと聞いたことがあります。
この師匠みたいになりたい、こういう作品を作りたいと心から願って、自分の目標とする対象の息遣い一つも見逃さないように、自分のものにしようと必死になる…ある芸事の師匠は「芸は教えてもらうものではない、師匠から盗るものだ。できるならどんどん持って行きなさい」と仰っていました。でもそんなに簡単に師匠の技を体得なんてできません。だからこそ、師匠に一歩でも近づけるようにと弟子は常に師匠について、勉強し、稽古に励むのでしょう。
今日こういうお話しをしたのは何十年も前の映像を観て、その画面の中の、私がお会いしたことがない先人の仕草や面影を身近に感じたからなのです。とても不思議なことでしたが、こうやって芸が生き続ける…受け継がれていくのだなぁと、しみじみと感じました。

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