〔ミモレ編集室〕のゑゐるです。


皆さん、TVのクイズ番組はお好きでしょうか?


私はちびっ子の頃から大好きで、好きが高じていくつものTV番組に出場し、『パネルクイズ アタック25』で優勝した経験があります。


今回は、趣味としてクイズを競技として行っている、クイズプレイヤー歴30年以上の私が、TVクイズ番組をもっと楽しむための案内をしてみたいと思います。


現在のTVクイズ番組は、大きく分けて以下の2パターンに大別されると思います。

1) 素人参加型

『パネルクイズ アタック25』

※画像は番組公式サイトより

本当の素人が出演する場合もあるし、クイズプレイヤーと呼ばれる、競技クイズを趣味としている人が登場する場合もある。

例えば『東大王』

※画像は番組公式サイトより

WEBメディア・QuizKnock主宰・伊沢 拓司氏や、東大王チームの回答ぶりは見どころですよね。


また、デジタル放送を活用した視聴者参加型双方向クイズも、ここに入ります。

2) 芸能人出演型

芸能人が知識を競い合う、正統派クイズ番組

『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』

※画像は番組公式サイトより

『くりぃむクイズ ミラクル9』

※画像は番組公式サイトより


芸能人の珍回答を楽しむ

『そんなこと考えたことなかったクイズ! 鶏肉って何の肉!?』

※画像は番組公式サイトより

や、古くは『クイズ!ヘキサゴン』等に大別されます。


ところで皆さんは、TVでクイズを見るとき、どうしているでしょうか?
TVの向こうの解答者と一緒に答えたり、出演者の珍回答にツッコんだりしているでしょうか?


もちろん、クイズ番組と言うのはTVの向こう側の出演者の回答ぶりを見て、楽しむというのもあるけれど、TVの前の視聴者も一緒に考えて、答えているかと思います。


出演者の回答をみるのも十分楽しいのですが、実は野球に例えると、”打者”だけを見ているようなもの。

画面に登場しない”投手”にあたる存在である「問題」に注目すると、もっとクイズの奥深さが見えてくるのです。


今回は、特に「クイズの華」だと思う、早押しクイズ問題の構造について、少し説明したいと思います。

突然ですが、次の問題の答えは何でしょう?

1)竹取物語で、帝がかぐや姫から貰った不老不死の薬を燃やした、という伝承が残っている山はどこ?

2)葛飾北斎『冨嶽三十六景』の、「神奈川沖浪裏」、「凱風快晴」「山下白雨」等の絵に描かれている山はどこ?

3)美人の額の髪の生え際に例えられる、日本の山はどこ?

4)現行の1000円札に描かれている、日本の山はどこ?

5)日本で一番標高が高い山はどこ?




答えはすべて、「富士山」。

 

この中では5)が一番簡単で、1)が一番難しい問題です(あくまでも主観ですが)。


通常は、この問題文の情報が2~3文繋がった状態で出題されます。
前の方にはやや難しめの情報が問題文として配置され、後ろの問題文は比較的簡単です。


一つの答えについても、多角的な情報を蓄積している方が、なるべく早いところで正解が導き出すことができ、ボタンが押せるという事は、お判りいただけるかと思います。

これは「前振り」といい、クイズ問題の難易度を決める重要な要素。

この他にも、百人一首の「決まり字」と似ている、「限定」といわれる、このワードが出たら複数の候補から答えが絞り込める、等のテクニックがあります。

早押しクイズにおいて、前振りのなるべく早いところで押せると、とてもカッコいいし、事実、答えている方も気持ちがよく、クイズの醍醐味だと思います。


なお、誰でも分かるような要素を全く問題文に持ってこないと、それだけで難問になります。


また、TVクイズ問題出題において、やらないほうがいいと思う事もあります。
それは、いわゆる難問と呼ばれる、普通の視聴者が分からないような問題を連発する事。

クイズ王と呼ばれる人が出演する番組の場合、多少、難問が入っている方が出場者の凄さをお伝えできるので良いのですが、これを頻発すると、一緒にTVの前で答えているお茶の間の視聴者の皆さんに飽きられ、チャンネル替えられちゃいます(笑)。


それならいっそのこと、何かジャンルを特化してクイズ番組をした方が面白くなります。

例えば『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』とか。

※画像は番組公式サイトより

一方、お茶の間の皆さんも「見たことはあるんだけど、それに名前があるのを知らない」等の問題は上手く配置すると、面白くなります。


例えば、知っているようで知らない、
江戸時代以前の武士等に見られる、前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃りあげた部分の名前、とか。

浅井長政像(長浜市長浜城歴史博物館蔵)


答えは「月代(さかやき)」。

TVを見ている視聴者の方々も楽しめ、出場者の(カッコよかったり、おバカなところも含めて)良いところを引き出す問題が出題できるのが、良いクイズ番組の問題なのではないかな?と、考えます。


最後に、クイズの問題において一番大切なこと。

それは、「裏を取る」ということです。


問題出題時に何が最低かと言うと、正解とされる答えが間違っている、とか、実は答えが複数あり、不正解扱いになる、と言うことなのです。


TVクイズ番組の場合、勝負を左右しますし、事実クイズの正解をめぐって裁判が起きたこともあります(『クイズ$ミリオネア』のマヨネーズ語源問題)。


なので、TVのクイズ番組の問題作成者は、必ず百科事典等を複数使用し、関係各所に確認したりする等、必ず裏を取っています。


たまにはクイズの問題に注意しながら番組を見て頂けると、新しい楽しみ方ができるのではないかと思います。

 

ゑゐるさん

「私は、私の好きなもので、出来ている」がモットーの、アラフィフ未婚、子なし、実家パラサイトです。
服のサイズはLどころか2L、3Lサイズ。 大抵のファッション情報は、残念ながらあまり役に立たない・・・。
デブ目線の情報や、たいていの人にとって、どうでもいい事を呟く予定。


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