週末は葉山の自宅でのんびりと過ごすというスタイリストの風間ゆみえさん。「庭を眺めている時間が好き」と話す風間さんの、春ならではの過ごし方をうかがいました。
風間ゆみえ
1971年生まれ。スタイリスト・ファッションディレクター。多くの女性ファッション誌で活躍し、近年は植物療法士やフランス植物療法普及医学協会認定のメディカルフィトテラピストとしても活動中。オンラインサロン「SALON_Y」では、植物の効能だけを学ぶのではなく、人と植物の関係を含め、植物について包括的に理解を深めることを大切にしながら、日常的に取り入れる方法を伝えている。著書に『LIKE A PRETTY WOMAN』、『Lady in Red』など。
山桜が咲く庭に、モグラもやってくる
平日は東京のアトリエで働きながら、週末のリラックスタイムは葉山のご自宅で。山の上に位置し、庭から海が望める自然に囲まれた葉山の家で過ごす週末は、いつもよりゆっくりと時間が流れていくのだそう。
「わが家の庭は、わりと手付かずの自然を生かしたままで、春から夏、夏から秋、秋から冬へとがらりと姿を変えます。
樹齢40〜60年くらいだろうと推定される山桜の老木が5本、春の訪れとともに淡い緑色の小さな葉を芽吹かせ、ウグイスが鳴き始めれば、後から重なるように小さな白い花を咲かせ美しい景色を描いてくれるのです。
春風が枝を揺すれば、陽光のなかに舞う白い花弁は雪のようで、冬が好きでなごり惜しむ私には眩いばかりの光景。ご褒美のような瞬間は、ひとりじめしているのがもったいなくなり、友人に『遊びにこない?』と声をかけたり、時折りiPhoneを手に取り動画を撮ってSNSにアップしたりと、この時期の喜びのひとつでもあります」
お庭には、実際に可愛いお客さんがやってくるといいます。
「私の家の春はモグラの土起こしからはじまります。陽が長くなってきたなと感じる頃には冬の間、硬く閉まっていた庭の土がボコボコと浮き上がり『モグラが動きはじめたね』と夫とふたり、変わらずやってくる春の訪れに安堵し笑顔を交わします。これもひとつの喜び。
そして、こうしてモグラが動き回るおかげで土のなかの微生物たちも活動しやすい環境になり、この自然循環を守りたいと、我が家では庭の殺虫剤などは一切使用しません。そのせいもあってか、家のなかに虫たちが入ってくることもそんなにないのです。うちは今現在、夫と二人暮らしですが、そんな風に自然と手を繋ぐような生き方が、心地よく嬉しくもあります」
ほかにも、とっておきの自宅での過ごし方があるんだとか。
「うちの北側の庭にキャンピングカーがあるのですが、休日には、サンセットタイムに合わせて、そこに白ワインとその日の気分に合わせた食事を運んで、少し早めのディナーを楽しんだりします。子どもの頃にあった、秘密基地みたいな感じで(笑)。その北側の庭からは、海と山と富士山が見えるのですが、少しづつ色を変えていくそのグラデーション、至福です」
とても素敵な過ごし方だけど、庭のない家に住む人には、なかなか真似できなさそう……。
「この半年くらいは特に、平日は東京にいることが多いのですが、都会でも意識を向ければ自然を感じること、楽しむことはたくさんできます。スーパーに並ぶ食材でも、旬のものを選んで食卓に並べれば、そこに今ならば春を楽しむことができます。私たちがいただく野菜なども、自然の恵みから生まれたものです。そして、都会暮らしでもベランダ菜園で立派にお野菜が採れたりします。手始めにミントや、タイム、コリアンダー、ローズマリーなどの育てやすいハーブなどをオススメしたい! どんどん生えてくるんですよ。摘んで食べる楽しみもあるし、なにより香りがいい。気持ちがちょっと鬱々しやすい人には、ローズマリーを植えるのがオススメです」
この春は「アロマリーディング」をやりたい
スタイリストでありながら、植物療法士やアロマエンライトメントの資格を持つ風間さんは、この春、自身が主宰するオンラインサロンのメンバーと「アロマリーディング」をやり、その人に寄り添うブレンドオイルを調合してお守りのように持って欲しいといいます。そもそも、アロマリーディングとは?
「アロマリーディングは、アロマで潜在意識に働きかけて、心のケアをするメソッド。48本の精油を使うのですが、精油のボトルを全て箱の中に入れてラベルが見えないようにした状態で『◯◯さん、こうなりたいと思う自分を思い浮かべて、選んでください』『次に、いま自分に欠けていると思う部分を想像して選んでください』という感じで、いくつかのキーワードでボトルを選んでもらいます。その後、選んだ香りを実際に嗅いでみて、どんな風に感じたかなど、その人の状態を読み解いていく。香りを嗅いで自分の状態を知るものなど、他にもこういった香りで脳の状態などを分析するものもあるけど、香りを見ない嗅覚、視覚で捉えていない状態でするのが面白いですよね。でも、モノにもヒトにもこの世もあの世も全てのものには周波数があるからですかね、読み解くと、とても腑に落ちる精油を選んでいるんです」
風間さんがアロマリーディングをやってみたいと思ったのには、理由がありました。
「サロンのメンバーの話を聞いていると、みんな少なからず不安を抱えていて。表面上はみんな元気で明るくとても気の良い方ばかりなのですが、よくよく話を聞いていくと『実はこんなことがあります。あまり眠れないんです』などと、不調を自分の一部のように受け入れて毎日頑張っている方が多くいるのです。
だからアロマリーディングが深いコミュニケーションのきっかけになればと思ったんです。
五感の中の香りが心身や魂に働きかけるというのは、とても原始的、そして本能的な感覚だと思います。香りの刺激が古い記憶や本能行動と結びつき生理的な反応を起こします。
これにより私たちの心身、精神を癒して、眠っていた感覚などを目覚めさてくれる良い機会に、選んだ香りがお守りのようになれたらと思ったことがきっかけ」
いまはパソコン越しにみんなと会話をする日々ですが、この精油を持って全国行脚をするのを楽しみにしているそう。
「コロナが落ち着いたら、早くみんなに会いに行きたい! それまではオンラインで交流を図っていこうと思います」
<風間さんのおうち時間の愛用品>
「お庭で過ごすときには、花粉やPM2.5といった外的刺激を気にすることなく心地よく過ごしたいもの。ディセンシアの『アヤナス モイストバリア ミスト』は、外的刺激をブロックしてお肌を守ってくれるので、お庭でのひと時に大活躍! また、家に閉じこもっていると、空を見上げることも少なく、スマートフォンやPCに向かい、下ばかり見ることが多くなり、顔がたるんでしまいそうな今日この頃……。肌のバリア機能を整えることでハリや弾力低下を防いで『老け顔』を阻止するってコンセプトが、いまの時代にぴったりですよね」
「リラックスアイテムや不調を和らげるアイテムも欠かせません。ストレスや不安を鎮めるワイルドフラワーエッセンスのスプレーや、深い森の中にいるような香りのルームスプレーは、忙しい時期に特に頼りたくなります。勉強や読書の合間には、マッサージジェルも使います。肩や鎖骨に塗って揉めば、コリが取れて呼吸もしやすくなります」
お問い合わせ先 /ディセンシアお客さまセンター
tel. 0120-714-115
撮影/Sophie Isogai
メイク/早坂香須子
構成・文/中田絢子
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