皆さん、こんにちは。梅津奏です。

春の訪れを感じる気候になってきましたね~。空気が柔らかくなってくると、洋服やメイクも明るく軽やかにしたくなりませんか?

同じウールのコートでも、ダークブラウンではなく明るいベージュのものばかり手に取ってしまう。髪型も、いつもよりおでこを広く出して、明るい色のパウダーで眉を描いて。色や質感が気分に与える影響は本当に大きいです。

 
 
愛用のポーチはバーバリー。メッシュ素材で洗いやすく、中が透けて見えるのが良い。ペタンコだからバッグの中に納めやすいのも好き。これに勝るポーチがなかなか見つかりません。

そんな私は、本に出てくる「登場人物が美容をしているシーン」が大好き。どんなアイテムで、どんな手つきでスキンケアしたりメイクしたりするかという描写には、その人の願望や本性が出る気がします。一人で鏡に向かっているとき、人はかなり無防備。鼻の下伸ばしてクリームを馴染ませたり、口開けてアイライン引いたり。…私だけじゃないですよね(笑)?

さて今日は、私のお気に入りのお化粧シーンをご紹介していきますね。


「いよよ華やぐ」瀬戸内寂聴

 

「阿紗は鏡に近づけた自分の顔をじっくり点検する。素顔の皮膚は蚕の繭のような白さで、目の下のたるみや目尻の小皺は仕方がないとして、口もとに、巾着皺などは刻まれていない。丹念な化粧で二十は若く見せる自信がある。化粧水は自家製で、上等の日本酒にレモンをスライスしたものをたっぷり入れ、アロエの葉も刻んでいれる。それにグリセリンを加えて半年寝かせておく。」

瀬戸内寂聴さんは奔放な恋の果てに出家したという経歴の、ご本人が小説になるような女性。ジェンダーレスの風も吹く今日この頃ですが、ときたま寂聴さんの本を読んで「おんな!」を感じたくなります。

私が寂聴作品で一番好きなのが本作。御年91歳の阿紗は、歌人兼、銀座の小料理屋の女将。裕福な家に嫁いで娘を生むも、道ならぬ恋に落ちて出奔。相手の男性を亡くした後は、女一人のマンション暮らしです。日々決まったメイクルーティン(最後はフランス製の口紅を塗って終了)を欠かさない阿紗さんの様子を眺めていると、自分も自分のことを丁寧に扱ってあげたくなります。

私の在宅メイクアイテム三銃士。眉ティント、最近は使っていませんでしたが、朝のメイクが格段に楽になります!またやろうっと。資生堂のおしろいミルクは、川上未映子さんがInstagramでお薦めしていたので購入♪


「氷点」三浦綾子

 

「夏枝は、手鏡をとって顔に近づけた。鼻の下に、かすかな一本の横じわがみえる。夏枝はそっと指でおさえてみた。「おかあさん」「……」夏枝は、てのひらでかるくほおをたたいた。肌理はこまかいが、弾力がないような気がした。」

北海道旭川市を舞台に、裕福な医師一家の養女となった陽子が、「自分の中に潜む原罪」と向き合う姿がキリスト教の教えを背景に描かれる物語。引用したのは、陽子を虐める美貌の継母、夏枝のシーンです。

小学生の陽子が学校からの連絡事項を説明しているのに、鏡に向かうのに夢中の夏枝。彼女は「つややかな瞳に、長いまつげが影を落としている。とおった鼻筋に気品があった。紺地の浴衣に、雪国の女性らしい、肌理こまかい色白の顔がよく映えている」と描写される妖艶な美女。

母であり女であるという夏枝のバランスの悪さが見事に表現されている場面で、読んでいて背筋がぞわっ。夏枝のような美貌の持ち主でなくとも、なぜか鏡に映る自分に執着してしまって夢中でメイクをしている…みたいな経験、皆さんにはありませんか?


「おしゃれの視線」光野桃

 

「このピンクを使いこなすためには、肌に透明感が要求される。早い夏の、日一日と強まる陽射しのもとで、いやおうなしに肌は傷んでいっているのだが、あえてやってみようと私は鏡の前に座る。そしてかつてないほど丁寧にファンデーションを塗っていく。(中略)これから私がやろうとしていることは、中年に差しかかったこの肌に透明感をもたらそうという、いわば不可能を可能にするようなことなのだ。そう自分に言いきかせながら薔薇の香りの水をコットンに含ませて、指先を拭く。」

大学時代から大好きな光野桃さん。深みのある色のリップを定番にしていた38歳の光野さんが、グレーがかった淡いピンクに挑戦するシーンです。その繊細な工程に、いつも無造作に選んだ口紅をパパっと塗っている自分が恥ずかしくなります。その口紅を塗ってどんなイメージを目指すのか、そんなことを考えながらメイクしたいなあ。言うは易し、なんですよねえ…。(ものぐさ)


こんな感じでしょうか。
Youtubeやインスタライブ等で、女優さん・モデルさんのメイク風景をみるのも楽しいですよね。「ファンデーションそんなちょっとしか使わないの?」とか「アイライン何本引くの?」とか、驚きや発見もたくさん。

しばらくメイクを楽しむ気持ちから遠ざかってしまっていましたが、春に向けて少しは頑張ろう~っと。

最近新調したコスメ。YSLのルージュ ヴォリュプテシャイン No.15はリピートです。数年前にデパートでパーソナルカラー診断をしてもらい、ついでに選んでもらったカラー。口紅を買う為に久しぶりにカウンターに座ったら、「ここで全部用事を済ませたい(せっかち)」と思ってアイシャドウも。シークインクラッシュ No.6。キラキラのオレンジ☆
こちらがBefore(笑)リップは上の写真と同じもの。アイシャドウはアディクションのザ・アイシャドウです。Tiny Shellというこのカラー、大好き。また戻ってきてしまうかもな~。