ヘアライターさとゆみ(佐藤友美)がチェックする、ニュースな女性たちのヘア&メイク。今回は、数々のドラマ、映画、舞台で強烈な存在感を見せる実力派女優、江口のりこさんを徹底マーク! 『半沢直樹2』から『その女、ジルバ』、『俺の家の話』と話題作への出演が相次ぐ江口さんのヘアライター的注目ポイントとは……?


時代はいつの間にか江口のりこさんフィーバー


みなさま、こんにちは。 ヘアライターのさとゆみです。 これ、私だけじゃないと思うんですけど、最近、何を見ても江口のりこさんが登場していませんか? しかも、毎度毎度、記憶にずば残りの役柄で。 私たちはいつの間に、こんなに江口さんに心を許してきたんだろう。

 

今クールだけでも2作品。
『その女、ジルバ』では、生真面目で一本気なリーダと、でも恋にはめっぽう弱い可愛い40女子を演じていますし、『俺の家の話』では、情もあるけど現実的な宗家の娘を演じています。
昨年ぶっちぎりの視聴率だった、『半沢直樹2』でも。あれ、超絶男くさいドラマだから、女性、ほとんど出てないの。っていうか、メインで登場していたの、上戸彩さんと井川遥さんと、江口のりこさんだけなの。
そして、これまた、めっちゃくちゃ存在感ありましたの。

江口さんて、長いことボブスタイルだから、髪型でそんなに印象変えている気がしなかったのだけれど、今回このコラムを書くために見直してみたら、意外とそうでもなかった。
結構、いろんなバリエーションがあった。
ヘアライターとしてはうかつだったけれど、それだけ、ヘアスタイルに目がいかず、江口さん自身に目を奪われていたということであろうぞ。

『その女、ジルバ』のヘアは、でこ出しのひとつ結びが定番です。
孤独で、だからこそ人の痛みに敏感な女性が健気に働いている様子はね、うっ。もう、涙なしには見られないですよね。あのドラマ、毎回泣いてるの、私。

そして『俺の家の話』。ここで演じている役は、主役の長瀬智也さんの妹役なんだけれど。これがまた、めちゃくちゃ絶妙で。
すっごく現実的でドライなところと、妙に情があるところが、なんだか本当に人間っぽいんですよね。そう、人ってみんな、そんなに一面的じゃないし、黒か白じゃないし。曖昧な存在だし。そんな人間の手触り感を感じさせてくれる役。
髪型は、分け目ばっちりのストレートボブだけれど、時折、宗家の娘らしくお着物のシーンがあって、その時のヘアスタイルは妙に色っぽいです。

で、『半沢直樹』が意外だったのだけれど、あの国土交通大臣の役、巻き髪で登場していたのね。わりとエレガントなヘアだった。
あの役も、権力に染まっていく自分、いいように使われている自分への、忸怩たる思いがにじんだり消えたりする、人間の弱さと強さを見事に表現された役でした。

主役でもバイプレイヤーでもなく存在感を残す役者とは

 

ここまで書いていて、江口さんてほんと、唯一無二の存在感だよなーと思ったのですが。強いて言えば、誰に似たタイプの役者さんなのだろうと考えてみたのです。
樹木希林さん? いや、なんかちょっと違うんですよね。
安藤さくらさんとは、よくポジショニングが似ていると言われるけれど、そうかなあ。
かといって、バイプレイヤーという感じでもないんですよね。存在が主役級すぎて。あの役者さん、いろいろ出てるよねーって感じよりも、アレとアレとアレに出ていたよねって、くっきり思い出せる感じ。

 

なんて思っていたときに、ほかの出演作をあさっていて、あ!!!! ってなりました。
あのね、
あのね……
(無駄にひっぱる)

 

竹中直人さん!!
竹中さんの存在感だ!!
もう、画面に出てきただけで、笑いを持っていってしまう。あの感じ!!

というのもですよ。
江口のりこさん、「日本人じゃない役」が、めっちゃめちゃハマる人なんですよね。

 
  • 1
  • 2