死別の乗り越え方3:「後悔しない生き方」を考えると前向きになれる
大切な人が亡くなり、死を身近なものに感じると、むしろ「自分は死ぬまでの間、どんな生き方をするべきなのか」と考えさせられるものです。そうしたら、いつまで経っても、クヨクヨしているわけにはいかないですよね。私たちの命にも限りがあるのだから。
たとえば「3日後に死ぬ」と分かったら、なにをするでしょうか。そんなときに、「お金を稼ぎたい」「出世したい」なんて思う人は稀で、多くの人が「大切な人と幸せなひと時を過ごしたい」と思うものではないでしょうか。それは、“人生”というスケールで物事を見られるようになるからなんですよね。
大切な人が多い人ほど、「3日では足りない」と思うものでしょう。それは、幸せな悩みですよね。とはいえ、自分は大切に思っていても、相手がそうでなければ、会ってはもらえません。だから、生きている間に「どれだけ大切な人を幸せにするのか」というのも、大事なことなんですよね。
そんな風に人生を達観することができたら、自分の死ですら、そんなに怖くなくなってくるところもあるかもしれません。
世の中には、大切な人の死を受け入れられなくて苦しんでしまう人はいますが、悲しみを乗り越えるためにも、「その事実をきちんと受け止める」ことが必要となります。ただ、それは辛いことばかりではありません。そうすることで、亡くなった人が生きていたときよりも、傍にいてくれていることを感じられるようになるからです。
つまり、死別とは、故人との“新たな関係”の始まりでもあるのです。
前述の女性のように、大切な人が亡くなってから、いいことが増える人はいます。実は私自身も、祖母が他界してから、色々なチャンスに恵まれ、ずっとやってみたかったコラムニストになりました。だから、愛する故人は、この世を卒業してからも、ずっと見守ってくれているのだと感じるものです。
残された私たちも、いつかこの世界から旅立つ時が来ます。そのときに再会できるのを楽しみに、それまでは精一杯生きていきたいものですね。
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