皆さん、こんにちは。梅津奏です。

「何か悩んでいることがあるとき、誰かに相談する?しない?」

最近、そんなことを聞かれました。

うーん、難しい質問です。悩みごとがあるのに顔色変えずにいられるタイプではないので、手近な人に吐き出しちゃっている気がしますけど、「相談」しているのかっていうとそうではないような。

家族や親友には、タイムリーに吐き出したりしないですね。相手があんまり親身になってくれちゃうと、申し訳ないから。日々のモヤモヤは、職場の同僚くらい軽い関係の人に話すのが、ちょうどいい気がします。

「ちょっとむしゃくしゃするので行きましょ~」と飲みに行けなくなって早幾年。家では飲まない派ですが、これは好き。


そんな私、著名人が一般人のお悩み相談に答える「人生相談」本は大好物です。本を通して、相談者を通して、自分の悩みがうっすら解決されていく、その「程よい遠さ」が心地良いんですね、きっと。


「村上さんのところ」村上春樹

 

こちら、2015年に期間限定で開設された「村上さんのところ」という質問・相談サイトに寄せられた読者からのメールに村上さんが回答したものをまとめた一冊。なんと、37,465通ものメールが届いたらしいです。本に収録されたのは473通分ですが、電子のコンプリート版には3,716通分収められています。もちろん持ってる。もちろん読んでる。

「人生ってなんでしょう」等の壮大な相談から、「話の長い上司にうんざり」「どうしたら性格が良くなりますか?」「対談本ってなんでつまらないんでしょうか」みたいな、「どう答えるべきかしら」と考え込んでしまいそうなものまで。

▽ムラカミクスの三本の矢について教えてください。そんなものないよ、なんて言わないでください。経済関係でなくてもいいです。お願いします。(三度目の掃除機、男性、54歳)
▼ムラカミクスはかなり強力ですよ。
一の矢 知らん振り
二の矢 照れ隠し
三の矢 開き直り
みんなうちの猫たちから学びました。だいたいこれで人生をしのいでいます。にゃー。


この三つ、最近の私みたいだわ。ちょこちょこ読むのが楽しい本だけれど、私なら村上さんに何かを相談しようとは思わないな~。みんな勇気あるな。


「鴻上尚史のほがらか人生相談」鴻上尚史

 

現在粛々と読み進めている、劇作家・演出家の鴻上さんの著書たち。本書は、朝日新聞出版の月刊誌とニュースサイト「AERA dot.」で連載されていた人生相談を書籍化したものです。気持ちが塞いでいるときは、こんな風に声をかけてもらいたいな……とちょっと泣けてきちゃうような一冊。

「他人に迷惑をかけられるたびに心底いらいらしてしまいます。そのうちトラブルになるのではないかと心配です」という、28歳男性の相談に対する回答がこちら。

「自分は何者かになりたい」という意識を強く持ち、けれど、何者でもない現在、何か社会に対して主張したい、自分の存在を明確に打ち出したいと思った結果、「正義に反する人達」に対する、誰からも否定されない怒りやイライラが増していく、ということです。


うわあ、言っちゃった……。思わず絶句してしまう鋭い指摘ですが、その後に続く「代わりにこうするのはどうですか?」という提案が素敵なんです。鴻上さん、優しいだけじゃなくて説明が丁寧で親切。舞台をつくる仕事って、人生の縮図みたいなものなんだろうな。そこで培われた能力なんだろうな。


「好きなようにしてください」楠木健

 

一橋ビジネススクール教授、経営学者の楠木センセイ。職場の大先輩(「心の本友達」と勝手に呼んでいる)からおすすめされて読んだ本です。「おお!この人好きだ!」とビビビときて、今では全著作読破済(たぶん)でございます。

本書は、ニュースサイト「NewsPicks」で連載されていた「楠木教授のキャリア相談」を本にまとめたものです。

もともと、「NewsPicks」のような媒体と自分の文章は相性が悪いと予想していた楠木さん。編集長からの依頼を受けて試しに記事を書いてみたところ予想的中。コメント欄に「罵詈雑言がバリバリと音を立てて」寄せられたとのこと。(このバリバリ具合がものすごいので、本書の「はじめに」を読んでみてください)

それなのに、連載を始めてみたというノリの良い(?)楠木さん。「どの相談も、「好きなようにしてください」としか言いようがないやんけ」と、まさにご自身も「好きなように」ノッて書き連ねているマイペースな回答がなんともイイ。学生さんとか、読んだら楽しいんじゃないかしら。


さて、やりがいのある仕事をして充実していても、「女として負けている」と静かに攻撃してくる人々にどう対応すればいいかというお悩みに対する回答がこちら。

暇な奴ほど責めてくる、馬鹿が戦車でやってきているだけの話です。「自分がうまくいっていないから、鬱憤晴らしでたまたま私を責めてくるのね。余計なお世話よ……」とスルーするに限ります。あとは好きなようにしてください。


うんうん、相談ごとって、これくらいのノリで答えてほしいんだよね。それにしても「馬鹿が戦車で」って……。はい、好きなようにしまーす。


こんな感じでしょうか。

私が人生相談するなら誰にしたいかな……。女性なら、林真理子さんかな。なんだか人からお悩み相談されやすいタイプって、いますよね。知識や経験の幅が広く、余裕があって、優しい人。

え、私はどうかって?いやいや、されるタイプに見えますか?(見えないでしょ)(しらんがな)(されません)

 

さて、好きなようにします。(本屋に行きます)