10生理痛や月経過多を改善！子宮に１回入れれば５年もつ「ミレーナ」とは？【高尾美穂】

生理痛と過多月経には、ピル以外にも対応策がありますよ

生理痛や過多月経などの悩みには、低用量ピルがおすすめですが、毎日薬を飲むのが面倒という場合には、ミレーナ（ＩＵＳ）という選択肢もあります。

ミレーナは、ホルモン治療のひとつです。
低用量ピルや、更年期治療のホルモン補充療法（ＨＲＴ）は、エストロゲンとプロゲスチン（プロゲステロン）をセットで足すのに対して、ミレーナは、プロゲスチンのみを足すもので、飲み薬ではなく、子宮の中に入れておく器具です。

長さが3cm程で、周りにプロゲスチン製剤が塗ってあり、子宮に入れておくと、少しずつゆっくりとプロゲスチンが血中に取り込まれて、子宮内膜が分厚くなるのを抑えられます。そのため、経血量が増えるのを抑えることができますし、子宮内膜を排出するときの子宮の収縮力が弱くなるので、生理痛も防げます。
排卵が起きなくなるので、避妊もできて、ＰＭＳにも効果的です。

ミレーナは月経困難症や過多月経に保険がきく

ミレーナは、日本では2007年から避妊目的の器具として承認されていましたが、2014年には、月経困難症と過多月経に保険適用になりました。

それでも費用は１万円ほどと高めですが、１回入れたら５年間入れておくことができて、適切な場所に入っているかを定期的に婦人科でチェックするだけでＯＫなので、低用量ピルを５年間飲み続けるよりも結果的には安上がりです。

ミレーナを入れておけば、更年期症状にも効果を発揮

たとえば30代後半頃からミレーナを使い始めておくと、５年後に１回入れ替えて、更年期に差しかかったら、プロゲスチンのほうはミレーナにまかせて、エストロゲンだけを塗り薬などで皮膚から足せば、楽に更年期症状の対策ができます。ミレーナで楽な生理を経験すると、閉経までこのままがいいなと思う人も多いようです。
こういった点がミレーナのいいところです。