料理も酒も居酒屋以上!の通える和食。
ダシも調味料使いも自由な料理と、個性が光る品揃えの酒。楽しい!旨い!まさに"いまどき"な和食店2軒。
◆井本流が冴える、居酒屋以上割烹未満の店。ゆう 代々木上原
ポン酢やダシのゼリーを重ねたひと口刺身。フキ味噌とモッツァレッラを合わせた豆皿の揚げ物。"定番のお任せコース"なのに、当たり前の料理はひとつもなし。しかも、ポテサラやカニコロまでやってきて、とことん楽しい。
ここは、イタリアンの名店『リストランテ濱崎』、人気和食店『銀座KAN』などで経験を積んだ井本有祐さんが構えた「居酒屋以上、割烹未満」の井本流和食店。多彩な経歴を活かし、和に縛られず、素材をいちばん美味しいと思える手法で調理する。ダシを加えず、野菜と水だけで作るスープなどは、『濱崎』時代に学んだものという。ひとつの蔵元に絞った日本酒の品揃えも、料理同様、面白い。
◆三茶に誕生した、スタッフの個性溢れる呑食場。marco (マルコ) 三軒茶屋
檜の看板に綴られた店名の上には、"三茶呑場"の文字。が、思わず"呑食場"と正したくなる。
新潟の懐石料理店などで腕を振るってきた店主の河内亮さんは、新潟出身。故郷の食材、村上牛や塩引き鮭などを取り寄せ、焼きあごと昆布のダシを大切にひとひねり、河内流料理に仕立てる。ポテサラには鶏のダシ、パクチー鶏モヤシにはナンプラーを隠し味に使ったおばんざい類も、すこぶる旨い酒のアテ。ちなみに、酒番の小柴直哉さんは元ピッツァ職人でワイン党。新潟の地酒に加え、ヴァン・ナチュールも頓着せずにラインナップする。そんなスタッフの〝好き〞が渾然一体となったところも店の魅力になっている。
FRaU 2015年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社
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