もうすぐ新年度がスタート。転勤や転職などで新たな生活がスタートする方はもちろん、生活は今までのままだけど気持ちを一新したい方にもおすすめしたいのが、生活用品に新しいものを取り入れること。おなじみのショップで選ぶのもいいけれど、日本で古くから作られ、確かな素材を使った国指定の「伝統的工芸品」から選んでみるというのはいかがでしょう。
まずは食事の時間から。美しい「お茶碗」と「お箸」があれば、それだけで御馳走に
新生活で忙しくてごはんが手抜きになったとしても、お茶碗やお箸がいいものなら、それだけでほっとできるはず。益子焼ならではの素朴でありながらもモダンな雰囲気のある翡翠色のお茶碗は、軽量で持ちやすいのもポイント。また紀州漆器の深みのある黒が洗練された印象のお箸は、木目を生かした拭き塗で丈夫な作り。とうがらしを模した遊び心のある波佐見焼の箸置きは食卓のアクセントに。伝統的工芸品ときくと、ハードルが高い……と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、芸術作品ではなくあくまでも日用品。生活の中で使い勝手がよいように、そして長持ちするように作られています。毎日のように使うお茶碗やお箸こそ、伝統的工芸品から選ぶというのは賢い選択なのです。
朝の一杯の白湯やコーヒー。ぬくもり感じる「漆器のマグ&スプーン」はいかが?
朝起きたらまずは白湯を一杯。もしくは香りのいいコーヒーを目覚めに。そんなルーティンがある方も多いのではないでしょうか。陶器のマグもいいけれど、今年は気分を変えて香川漆器のマグカップを使ってみませんか。漆器は手によくなじんで持ちやすく、熱伝導率が低いため、飲み物の温度を長く持続してくれます。お揃いのスプーンもセットで揃えれば、毎日のルーティンが一層豊かな時間になるはず。シックな藍のほか、鮮やかなからし色、モダンな白など色のバリエーションも豊富です。
ランチを手作り弁当に。「曲げわっぱのお弁当」は不動の人気
お弁当といえば”大館曲げわっぱ”といっても過言ではないほど人気のアイテム。欲しいなと思いながらも、まだ手に入れていない方、新年度のタイミングで”曲げわっぱ”でお弁当生活を始めてみませんか? 美しく温かみのあるフォルムも人気の理由のひとつですが、それ以上に色付けや塗装が施されていない白木は、天然木ならではの吸湿性・通気性を十分に生かして、ごはんが美味しく保たれるということもあり、支持されているんです。容量や深さのバリエーションはいくつもあるので、自分に合ったサイズを見つけてみてくださいね。
仕事から帰ってきたらビールで乾杯。「錫のタンブラー」でお店気分に
夜は冷えたビールで乾杯。あえてグラスではなく、大阪浪華錫器のタンブラーで飲んだら、なんだかしゃれたお店に行った気分に。そしてただおしゃれなだけでなくて、錫は熱伝導率に優れているので、冷たいビールはより冷えた状態で、最高においしく飲むことができるんです。逆に熱燗もすぐに温まりますし、もちろんノンアルコール、コーヒーやお茶を飲むときにも便利! また錫器は錆びないのでお手入れもらくちん。ちなみに錫器に入れると雑味がなくなり、まろやかな風味になると言われています。
6寸=18㎝の「姫盆」。お皿代わりにもインテリアとしても使えるパステルカラーを選択
伝統的工芸品にこんなきれいなパステルカラーがあるの⁉ と驚いてしまう高岡漆器のお盆。6寸(=18㎝)の小ぶりなら、給仕盆としてはもちろんですが、お皿代わりや、アクセサリートレイとして使ってもいいし、そのまま飾ってインテリアにしても映える、用途の幅が広いお盆です。「漆器といえば朱赤か黒」という常識を覆す、ライトグリーン、ローズ、ホワイトといったカラーバリエーションは、時代と共に進化するものづくりの可能性を感じさせてくれる逸品です。
素敵な「祝包み」を用意してれば、お祝い事があっても慌てずスマートに振舞える
お祝い事があったときに間に合わせのご祝儀袋ではなく、あらかじめ選んでおいた素敵な祝儀袋が家にあったら……素敵ですよね。「江戸からかみ」は和紙に様々な装飾をした工芸品で、ご祝儀袋は姫子松の文様、そして結び松の水引を施しています。爽やかな若草色や紺色の新鮮なご祝儀袋は、2~3万円のお祝いを友人や同僚に贈るときにちょうどいい装飾。金額が高いとき、目上の方へ贈るときは、より豪華な装飾のものを選ぶとよいそうです。
ストレスフルな毎日の癒しに。澄んだ音色の「おりん」と「キャンドルホルダー」でリフレッシュ
伝統的工芸品にも実は癒しグッズがあるんです。たとえば高岡銅器の「おりん」。脳のα波を増加させると言われる1/fのゆらぎの定義に適う音色を聞かせてくれ、ざわついた心を整えてくれます。また、花びらのようなひらりといたフォルムが美しいキャンドルホルダーでろうそくに火を灯せば、リラックスした気分にいざなってくれます。LEDキャンドルが付属されているので、寝落ちが心配な方はこちらを。ミニ剣山もセットになっているので、小さな花器としても使うことができます。
伝統的工芸品は、ただ技術が素晴らしい、デザインが秀逸といっただけでなく、日常を快適に過ごすための理にかなったアイテム。今回ご紹介したアイテムはほんの一部、毎日の生活の中で使いたい伝統的工芸品はまだまだあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
提供/伝統工芸 青山スクエア
tel. 03-5785-1301
構成・文/幸山梨奈
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