長年に渡って日本で作り続けられ、生活の中に根付いてきた「伝統的工芸品」。その技術やデザインの美しさに注目が集まっています。とはいえ、私たちが日常生活の中で取り入れるとしたら? 人気スタイリストの福田麻琴さんに伝統的工芸品を日常で取り入れる方法を提案してもらいました。

「『伝統的工芸品』は柔軟にさまざまな形で日常の中に溶け込んでくれます」

「伝統的工芸品を始め、手仕事で丁寧に作られたものがとても好きです。特に日常で使うものはその理に適ったデザインや素材、そして細やかなデザインに感心してしまいます。自分で作ることも好きで、藤のカゴを編んだこともあります。本当に難しかった(笑)。作ってみることで、長年作ってこられた方たちへの敬意がさらに深まりました。さて、『伝統的工芸品』を私なりに日常に取り入れるとしたら?  を考えてみました。それぞれ本来の用途はありますが、じっくりと手に取り、眺めていると、いろいろな使い方が浮かんできます。どの工芸品も柔軟にさまざまな形で日常の中に溶け込んでくれました」

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曲線が美しい「駿河竹千筋細工」の小物入れを花器代わりに。
あえて高さを出さず気軽なテーブルフラワーに

 
400年の歴史を誇る駿河竹千筋細工。細く割った竹を丸く削った竹ひごが「曲げ」「継手」などの伝統的な技法で組み立てられています。たとえばアクセサリーを入れたり、キャンディを入れたり。そのほか、香り袋や香木を収めるにもぴったりです。駿河竹千筋細工 小物入れ 小町¥6600 手にもったカップ 小石原焼 飛び鉋 コップ〈小〉黄土¥1430
MAKOTO’Sコメント
本来は蓋付の小物入れの竹細工ですが、中に低いグラスを入れて、花器として使ってみました。背の高い花瓶にたっぷり活ける華やかさも好きですが、華奢なお花を数本さりげなく、というのもこじんまりしていて落ち着きます。低くて安定しているので、テーブルに置いてても安心。竹細工と花茎が描くランダムな曲線がなんだかリズミカルで素敵です。朝起きて、白湯を飲みながら、ゆっくりと好きな花を活ける。そんなゆとりの時間は作っていきたいなと思っています。

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模様にときめく「大阪浪華錫器」の錫製タンブラーとぐい呑み。デスクまわりの小物入れにして、いつも目に入るところに

 
黒とシルバーで星の煌めきを表面に模した錫製の器たちは飾っておきたくなる可愛さ。タンブラーやぐい呑みとして使うときも、錫製は雑味がなくなり、美味しく飲めると言われています。加えて、温かいものは温かいまま、冷たいものはより冷たくしてくれるのも錫ならでは。大阪浪華錫器 錫製タンブラー 群星(黒)¥13200,錫製 ぐい呑 群星(黒)¥7700
 
MAKOTO’Sコメント細やかな模様の美しさに目を惹かれた錫製のタンブラーとぐい呑み。もちろんこれでビールやお酒を飲んだら、それはそれはおいしいと思いますが、この美しさは側に置いて、ふとしたときに目に入ってきたら心を潤してくれそう。とうことで、仕事をするデスク周りの収納に。パソコン作業をするときかける眼鏡、スケジュールをメモするときに使っているペン、ふと作業中に外したアクセサリーを入れてみました。そのまま机の上に置いたっていいものですが、何気ないところにこそ、素敵なものを使ってみる、というのは心を豊かにしてくれる気がします。
 

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箱根寄木細工の「マウスパッド」をデイリーにつけている

ジュエリーや時計の”定位置”に

箱根寄木細工の技法を使って作られた無垢材のマウスパッド。あえてまっすぐな線ではなく手描きのような優しいラインで格子を描いています。表面はまったくひっかかかりのないなめらかな手触り。箱根寄木細工 マウスパッド 無垢 アイボリー¥3850
MAKOTO’Sコメント
家に帰ってきて外した時計やジュエリーを置くトレイにしてみました。マウスパッドなので、表面は本当に滑らかでひっかかったり、ジュエリーが傷つくこともありません。約18㎝ × 12㎝というサイズ感もアクセサリートレイとして使いやすい大きさです。シンプルなボードなので、何枚か揃えてテーブルウェアにしてもよさそうですし、花器を飾るときに下に敷いたり、というのもよさそう。変に懲りすぎず、使い勝手を考えて作られている伝統的工芸品だからこそ、アイデア次第で別の使い方をしたときにも上手に対応してくれます。

提供/伝統工芸 青山スクエア
tel. 03-5785-1301
 

撮影/須藤敬一
ヘア&メイク/吉川陽子
構成・文/幸山梨奈