1年365日ほぼおやつを食べているミモレ人気ブロガー山根亜希子さん。ブログでは、おやつと器の素敵なコーディネートを数多く紹介されています。そんな山根さんに日本に古くから伝わる技術や材料を駆使して作られる「伝統的工芸品」の器とおやつのコーディネートを提案していただきました。
「器とおやつのコーディネートを考える時間も、食べる瞬間と同じくらい楽しいひとときです」
「毎日のおやつ時間は私にとって大切なひとときです。いただくときだけでなく、器とのコーディネートを考えるのもとても楽しい時間です。おやつが美味しく見えることは大前提ですが、いちばんよく実践しているのがリンクさせること。たとえば、器とおやつの形や模様、質感をリンクさせたり、色を同系色で揃えたり。それだけでぐっと特別な雰囲気になります。和の器は陶器、磁器、漆器など、さまざまな質感、色も自然な色が多いので、食べものともよくなじんでくれます。食べれば一瞬ですが、いただく前に、器とおやつのコーディネートを眺めてにんまりするのも、愛おしい時間です」
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テーブルが華やかになる「紀州漆器の椿皿」。器もおやつも朱色でなじませ、菓子切りの黒をアクセントに
ケーキスタンドや高台など高さがある器が好きです。他の器との段差がつくので、テーブルを華やかに見せてくれます。今回選んだ紀州漆器の椿皿は、和菓子をひとつ置くのにちょうどいいい直径13.7㎝。漆器の朱赤と同じ赤いお餅をのせてみました。カップ&ソーサーも朱で描かれた模様が素敵な伊万里・有田焼です。朱赤の世界に菓子切りの黒と葉っぱの緑とポイントに。ちなみにこの大阪唐木指物の菓子切り、木製ですが、とっても切れ味がよく、おもちや求肥もきれいに切ることができました。素晴らしい! ちなみに椿皿にのせたおやつは名前もリンクしている椿餅。桜餅の原型といわれる和菓子です。
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「三川内焼の菊花皿」には形がリンクするフランスの伝統菓子カヌレを
菊花皿に菊を模した和菓子は間違いない組み合わせですが、お皿を見ていたら思いついてしまいました。この形は私の大好きなカヌレに似ていると! ということで、菊花皿とカヌレ。白地に青い染め付けが美しく繊細な三川内焼は、洋食器にも通じるところがあり、フランスのカヌレをのせたら、より華やかに。マットな質感のゴールドのフォークとも相性がよかったです。重陽の節句の時期になったら、ぜひ菊花を模したお干菓子と菊花皿のコーディネートもしてみたいなと思っています。
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「美濃焼の木瓜形皿」はおやつとお茶をのせたワンプレートに
苺の葉っぱがちょこんと描かれた可愛らしい美濃焼のお皿とカップ。プレートとしても使いやすいオーバル形だったので、おやつと湯呑を一緒に。白雪釉という乳白色に発色する釉土が使われているそうで、その色や風合いがフロマージュブラン(ブランはフランス語で白)とよく似ているので合わせてみました。お皿と湯呑は色は違いますが、さり気なくどちらにも苺の葉が描かれ、日常使いにちょうどいいセット感もお気に入りです。
「伝統的工芸品」の器たちとおやつの意外で新鮮な組み合わせ、いかがでしたか? お互いに引き立て合う、素敵で豊かなコーディネートでしたね。山根さんがセレクトしてくれた以外にも、おやつや食事を引き立てる、器や漆器が「伝統的工芸品」にはまだまだあります。気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
提供/伝統工芸 青山スクエア
tel. 03-5785-1301
ヘア&メイク/吉川陽子
構成・文/幸山梨奈
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