今回ご紹介したい「Co(コー)」は、2011年にL.A.で生まれたラグジュアリーブランド。日本では、エストネーション、伊勢丹、ストラスブルゴなど、ミモレ読者の方々にもお馴染みのセレクトショップや百貨店で展開する話題のブランドです。

実は、「今注目しているブランドがあってすごく素敵なの!」と大草編集長から教えていただいたブランドなのですが、実際にコレクションを拝見すると、空気をはらむような丸みを帯びたフォルムや体を美しく見せる流れるようなライン、そして、上質で着心地のよい素材選びに至るまで、その洗練されたフェミニンさには目を見張ります。本当にきれい!

これらの洋服はどのようにして作られているのか−−。今回、幸運にも、デザイナーのひとりであるStephanie Danan(ステファニー・ダナン)さんにお話を伺うことができました!

──ステファニーさんはもともとフィルムプロデューサーとして活動されていそうですが、なぜ洋服のデザインも手がけようと思われたのですか?

洋服のデザインを始めたきっかけのひとつに、作品が完成するまでの製作期間が短かったことが挙げられます。フィルムを製作するには、とても長い年月を必要とします。今もフィルムが好きなことに変わりはありませんが、作品の完成まで長い間待ち続けなければなりません。
洋服を作るにあたり、私の両親が洋服のビジネスに携わっていたこともあり、デザインや業界に対する知識はすでにありました。パートナーのジャスティン・カーンと最初のコレクションを発表したときには、それに合わせたフィルムも作ったんです。それをインターネットで配信したところ、アメリカのバーニーズNYから問い合わせがあって……。ある意味では、偶然からブランドが始まったのかもしれません。


Co F/W 2011 directed by Daryl Wein from Co on Vimeo.

──デザインのイメージソースは? どんな女性像をイメージしていますか?

私の周りにいる女性たちに絶えずインスパイアされています。子どもがいながらも仕事を持ち、さまざまな物事を工夫しながら器用にこなしている女性がたくさんいるんです。彼女たちを見ると、とても刺激を受けます。そうやって“すべての物事をクリエイトする“、そんな女性のために、私は服を作っています。
アイコン的なヒロインはたくさんいますね。映画で言えば、Gina Rowlands(ジーナ・ローランズ), Diane Keaton(ダイアナ・キートン)が好きです。小説家ではSimone de Beauvoir(シモーヌ・ド・ボーヴォワール)、アート・フォトグラファーではSally Mann(サリー・マン)……。素敵な女性が多すぎて、とても語り尽くせそうにないわ!

──今シーズンの気になるキーワードは何ですか?

“ヴィクトリア朝時代”ですね。今シーズンの「Co(コー)」にも、そのディテールを散りばめています。

──日本人女性(特にミモレの読者層・45歳前後の女性)は、デザインはもとより、上質な素材や丁寧なものづくりなど、商品の背景にも注目しはじめています。ステファニーさんがものづくりにおいて、大切にされていること、こだわりを教えてください。

「女性は服に着られるのではなく、服を着こなすこと」。これはとても大切なことだと思っています。だからこそ、美しい生地とフェミニンでシンプルなシルエットには、こだわりを持っていますね。

──美意識を保たれるために日々意識していることがあれば教えてください。

私はロマンチストなので、詩が好きなんです。それが美意識を保つのに役立っているのかもしれません。

──「女性が自分の意志を持ち生きる」ということに対し、どうのような考えをお持ちですか?

素晴らしいことだと思うわ。「Co(コー)」は、働く独立した女性のためのコレクションです。ただ単にファッションとして服を身につけるというより、自分自身のスタイルを持ち自立した女性をイメージしていますね。そういった女性たちは、ワードローブに一生ものの洋服が揃っていて、支払った金額に対する価値もまた、きちんと考えることができるんじゃないかしら。

──今後のブランドの展望をお聞かせください。

ロサンゼルスでは、初となるショップをオープンさせる予定です。新たにスタートするJerome Mage(ジェローム・マージ)との素晴らしいアイウェアコレクションや、Francois Girbaud(フランソワ・ジルボー)とのデニムコレクションも継続します。
そして、ついに日本初のポップアップストアが決定しました! 2016年1月28日(木)〜2月12日(金)まで、エストネーション 六本木店にオープンします。「Co(コー)」の世界観と、2016年リゾートシーズンのコレクションを、ぜひ店頭で直接ご覧になってくださいね。
 

 

Stephanie Danan(ステファニー・ダナン)
L.A.にてフィルムプロデューサーとして活躍した後、2011年にパートナーのJustin Kern(ジャスティン・カーン)と共にL.A.にて「Co(コー)」を設立。厳選した素材とユニークなシルエットを特徴に、普遍的かつラグジュアリーなコレクションを発表する。ブランドの創設者でありつつデザインも手掛ける。1児の母でもある。

★Co公式サイトはこちらから

お問い合わせ先/イーストランド tel. 03-6231-2970

 

榎本洋子/フリーライター。
大学卒業後、ひょんなきっかけでファッション誌のライターに。その後、ブランドのプレス、Web制作会社を経て独立。現在は、ファッション、インタビューなど、雑誌やWebで取材&執筆の日々。好きなものは、 書くこと、おしゃれ、黒、鯖、トイプードル、昼寝。