「あなたの結婚生活は、幸せですか?」
この質問にまったく躊躇いなく「はい」と答えられる夫婦はどれだけいるでしょう。
「婚姻制度」が定められたのは、実は120年以上前の明治時代。社会も価値観も変化していく中、多くの夫婦が様々な問題を抱えているのが現実です。
この連載では、現代の男女が抱える問題について取材。結婚生活は山あり谷あり。そのとき人は、どのような選択をするのでしょうか?
今回お話を伺うのは、13年の結婚生活ののちに3人の子どもを連れて離婚、東京から地元の札幌に帰るものの、なんと養育費が「3人で5000円」にまで値切られてしまったというシングルマザーの亜弥さん(42歳)。
「今思えば、結婚生活のなかで『なんで私、気が付かないの』と悔しいポイントがいくつもありました。私のような苦労をする人が1人でも減るように、包み隠さずお話したいと思います」
職業:介護福祉士
家族構成:15歳・13歳・11歳の子どもと4人暮らし。会社員の元夫(42歳)は東京在住。
「はやく平凡で幸せなお母さんになりたい」気持ちが判断を鈍らせた
「元夫と出会ったのは、同僚が主催してくれたいわゆる合コンです。男性陣は皆SEでしたが、プロジェクトが同じなだけで、所属している会社は別々、つまり男性同士も顔見知り程度。それ以降、離婚するまで彼の親友、という距離感の人は登場しませんでした。彼、友達がほとんどいない男でした。
彼を良く知る友人や家族にほとんど会わないまま、はやく結婚してお母さんになりたい、という気持ち先行で1年の交際で結婚を決めてしまった。それが一つ目の後悔です」
取材が始まったものの、最初は何から話せばいいのか……と口ごもる様子だった亜弥さん。元気な動きが小動物を連想させる方で、実年齢を伺って驚くほど、可愛らしい女性です。しかし一転、『あの時気づいていれば』と思うことはありますか? と質問を変えてみると、するりと答えが出てきました。誰かに自分の失敗を活かして欲しい、という気持ちがあるのだと言います。
「彼とは半年間同棲してから入籍したんですが、同棲時代、契約社員で企業の受付をしていた私は、仕事中に見聞きした面白い話をすることも。そういう時、人が幸せなことは、『へー』としか相槌がない。そして人が不幸なことは、『それで? それで?』と妙にイキイキするんです。今思うと、その変わり身には違和感がありました。そこで彼の人間性についてもっと深く考えれば良かった。結婚後、すんなり子どもを授かるんですが、少しずつ溝が生まれていきます」
Comment