——そんな菜々緒さんと同じように、不二子も母親になったことで「これまでと同じようには働けないかも」という悩みに直面したのでは?

菜々緒:その通りですね。自分自身に守るべきものができたことによって裏稼業みたいなことが今まで通りできなくなってしまうし、他の秘書たちと同じようには動けないという劣等感を抱いていた部分もあると思います。それでも、やっぱり悪者を見過ごすことはできないし、弱者を助けたいという強い信念があって。不二子が子育てとのバランスを考えながら裏稼業に邁進する姿に勇気をもらえる女性も多いのではないかと思います。

——子どもができると大好きな仕事に全力を注ぎにくくなるのは日本の多くの女性が抱えているジレンマですが、今の菜々緒さんは結婚願望がありますか?

菜々緒:ないです!  前のめりで答えちゃいましたけど(笑)。好きな仕事をハイペースで続けたいから我慢しているわけじゃなくて、単純に今のところ本当に結婚や出産は考えていません。

——曖昧な答えで濁すのではなく、自分の意思がハッキリしているのが菜々緒さんらしくてかっこいいです。

菜々緒が30代で直面した“挫折と意識改革”「年齢を重ねれば必ず直面することだと思う」_img3

 

菜々緒:私はまだまだ自分のことで手一杯だし、子供を育てられる自信もないし、母親に向いていないと自分が一番分かっているからこそ、焦ったりすることもないんですよ。どうしても周りの人と比べてしまうので、同年代が次々と結婚するとモヤモヤしがちですよね。私も20代の頃は母親からの「孫の顔が見たい」というプレッシャーに少し動揺することがありました(笑)。

 

でも、自分の人生は自分で決めるべきですよね。他の誰かの願う通りに行動してしまったら、自分の人生に背いていると思うんですよ。だから、今の私は結婚や出産は考えていないわけだし、他のことに力を注ぐことにしていて。とか言って、数ヵ月後に電撃発表したりして……(笑)。まあ、今のところ全然可能性ないですけどね。