「春を探しながら歩かない?」

北鎌倉から亀ケ谷切り通しを通って旧鎌倉までの道のりを提案すると、鎌倉を訪れる旅行者のガイドをしている友人が、「梅を見に北鎌倉というのは良い案ね」と。

プロのお墨付きをいただいて、いざ出陣です!

円覚寺で冬の花たちに癒される

初夏になると、梅の実がたわわに実ります。

まず、JR北鎌倉駅正面にある円覚寺の山門で待ち合わせます。

いちばん奥にある塔頭、黄梅院の庭の満開の蝋梅、谷戸に満たされた高貴な花の香りにうっとり。

地元暮らしですから円覚寺にはたびたび伺いますけれど、とりわけ梅の季節が好きなのは、大切に手入れされた境内の古木が美しいから。

古木の幹にふっくらと苔が生え、新たな命が育まれます。

山門を入り、先ず、ご本尊の宝冠釈迦如来をお参りしました。

塔頭の仏様やお地蔵様を拝み、古い寺社建築、古木や苔をしみじみ眺めながらゆっくり、歩みを進めます。

龍隠庵への道筋で。境内のあちらこちらに、お地蔵さまがいらっしゃいます。高台にある龍隠庵の庭からは、円覚寺の境内が一望できます。

すると、時間の流れがふっと変わり、気がつくと心の中の「もやもや」は溶け出して、不思議と心が落ち着くのです。

時の経過で心が癒される「時間薬」もあるけれど、何世紀も前から続く時間の流れの中に自分を置いて癒される「時間薬」もあるのかも。

円覚寺鎌倉市山内409 Tel.0467-22-0478 拝観時間=12月~2月・午前8:00~午後4:00 3月~11月・午前8:00~午後4:30 拝観料=大人(高校生以上)500円 子供(小中学生)200円 

世界一のチョコレートを求めてChocolaterie CALVA(ショコラトリーカルヴァ) 北鎌倉 門前へ!

円覚寺を出て、Chocolaterie CALVA(ショコラトリーカルヴァ) 北鎌倉 門前へ。

JR北鎌倉駅西口をおりて、左に歩いてすぐのところにあります。暖簾と看板が目印。

昨年秋、パリで開催されたWORLD CHOCOLATE MASTERSに日本代表として出場され、3部門で世界一に輝いた田中二朗さんのチョコレート専門店です。

建物上部の看板「門前」の文字は、文豪川端康成の筆跡です。有名な精進料理店「門前」があった場所が、日本を代表するショコラトリーになりました。

 CALVAのボンボンショコラたちは、外側のチョコレートの層が薄く、中の繊細な味と香りの組み合わせ、ジューシーな食感とフレッシュさを満喫できるところが特徴でしょうか。


ひとつぶ口に入れて、まずチョコレートを楽しみます。すぐに中からガナッシュやプラリネ、パートドフリュイが溶け出して、その鮮烈な香りと味にドキドキします。

こちらはミントフレーズ(フレッシュミントのガナッシュといちごのパートドフリュイの組み合わせ)(上)、京都宇治の抹茶(中)。金柑(下)は宮崎県産有機金柑の豊かな香りと食感に圧倒されました。ほかにも「食べてびっくり」のスモーク(ガナッシュをスモークした、ここでしかないお味のショコラ)や、タイベリー(こちらもガナッシュとパートドフリュイの組み合わせ)など30種類以上も!
Chocolaterie CALVA(ショコラトリーカルヴァ) 北鎌倉 門前神奈川県鎌倉市山ノ内407 Tel 0467-38-6259 営業時間・10:00〜16:00※季節により営業時間に変更あり 定休日・火曜日・水曜日(*2月14日は開店、15、16日休業)

友人と、チョコレートをいただきながら店先でお茶を一服。身体があたたまったところで、お店を出ます。北鎌倉をゆるゆる、あちこちお店をのぞきながら歩きます。

徹底して素材にこだわった、身体に優しいお菓子 CITRON PÂTISSERIE

CITRON PÂTISSERIEは、入り口のレモンの木が目印です。

北鎌倉から建長寺方面に向かう道の、踏切を渡ってしばらく歩いたところにあるのが、CITRON PÂTISSERIE

甜菜糖や平飼い鶏の卵など、オーガニック、フェアトレードも念頭に置き、身体にも地球の環境にも優しい、厳選された素材を使って作られた洋菓子たちと出会えます。

爽やかな酸味と、上品なレモンクリームたっぷりのタルトシトロン。タルトひとつに1/2個分のレモン果汁が使われているのだそう。ビタミンCたっぷりで、春を控えて敏感になりがちなお肌にもよさそうな気が。

こちらでは、予約していたお店のシグネチャーのお菓子「タルトシトロン」を引き取ります。ちょうどバレンタインのボンボンショコラやチョコレートをはさんだサブレもお目見えしていたので、すかさず購入しました。

ラブリーな形のチョコレートたち

丁寧に作られたお菓子たちは、どれもとても優しいお味、心が温もります。

オーガニックチョコレートをサンドしたピスタチオのサブレが秀逸!ピスタチオは使う直前に煎って、香りを充分引き出してから、細かく挽くのだそう。作り手の心入れが感じられます。
CITRON PÂTISSERIE鎌倉市山ノ内173-1 Tel.0467-60-4882 金曜のみ営業・11:00~17:00(状況により変更の場合あり)
 

切り通しを抜けて、旧鎌倉へ

夏は涼しい散歩道として重宝するの亀ケ谷の切り通し、冬はきりっとした鎌倉の空気を胸いっぱいに深呼吸、身体が芯から浄化されるような気がします。

お店を出て、ゆるやかな坂道をのぼります。数分で、右側に「国指定史跡 亀ケ谷(かめがやつ)坂」の看板が。昔、建長寺の池にいた亀がこの坂を登ろうとして、あまりに急なのでひっくり返ってしまったことから、この名前がついたのだそう。

ここは鎌倉に7つある切り通しのひとつで、私たち地元民が北鎌倉から鎌倉駅に向かうとき、日常的に使う抜け道です。(注・車は通れません。)

 

切り通しと呼ばれるだけあって、道の傾斜はかなり急です。でも、そこがまた楽しくて。おしゃべりしながら、お昼ご飯をいただくカフェを目指して、歩きます。

続きはまた、来週に。

寒さに負けないよう、あたたかくしてお過ごしくださいね!