“不惑”と言われる40歳を過ぎても、人生は悩ましいことばかり。どれだけ仕事や家事のスキルが上がっても、愛する人との関係性や自分自身の感情をコントロールするのは至難の業だったりします……。

そこで今回は、世の女性たちから絶大な支持を得ている2人の対談を実施。二度目の離婚を経験した大草直子さんと、20 代の頃に大失恋した相手と約20年振りに復縁したジェーン・スーさん。人生の新たな節目を迎え、全力で愛と向き合うなかで考えたこととは? 赤裸々に胸の内を語る2人の言葉には、同世代の女性が抱えがちなモヤモヤを整理して、視野を広げるヒントが隠れているかもしれません。

前編と後編の2回に分けてお届けするスペシャル対談。今回はジェーン・スーさんの近況をメインに“愛”を深掘りします。

【大草直子×ジェーン・スー対談】「見返りを求めない」体幹が強化された50 代でスーさんが辿り着いた愛の境地_img0
 

大草直子
1972年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社で雑誌の編集に携わった後、独立しファッション誌、新聞、カタログを中心にスタイリングを手がける。その一方でイベント出演やコンサルティング、執筆業にも精力的に取り組む。 WEBメディア「AMARC」を主宰。『飽きる勇気 好きな2割にフォーカスする生き方』、『大草直子のSTYLING & IDEA』ほか著書多数。新刊の『見て触って向き合って 自分らしく着る 生きる』には、年齢を重ねた女性たちが自分を大切にしながらおしゃれを楽しむための具体的なアドバイスが満載。

ジェーン・スー
1973年、東京生まれの日本人。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』で第31回講談社エッセイ賞を受賞。『私がオバサンになったよ』、『これでもいいのだ』、『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』など著書多数。TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』、Podcast番組「ジェーン・スーと堀井美香のOVER THE SUN」のパーソナリティとしても活躍中。最新刊は桜林直子と共著『過去の握力 未来の浮力 あしたを生きる手引書』。

第1回「【大草直子×ジェーン・スー対談】「私には男女の愛が大切だった」。真摯に愛と向き合った大草さんが離婚を選んだ理由」>>

 

大草「以前、プライベートでスーさんと話していたら『私にとって恋愛はレジャーだ』と言っていたんですよ。その時は詳しく聞けなかったのですが、どういう意味だったのか、ずっと気になっていたんですよ」

スー「優先順位の話ですね。昔は恋愛に振り回されていて、そこが充実していることが人生の軸だったし、恋愛していない自分はダメだと思い込んでいる時期もありました。今は年齢を重ねて自分という軸が確立されていて、体幹がだいぶしっかりしてきたから(笑)。恋愛はレジャーのような感覚で、あっても、なくても、自分という軸がブレずに生きていくことができる。昔とは主客が逆になって、今は私が“主”であり恋愛は“客”になった感じです」

大草「なるほど。私は仕事も恋愛も友情も生活も、全部が同じ割合じゃないとダメなタイプなんです。人それぞれ優先順位が違うけど、体幹が強ければ多少バランスが変わっても大丈夫ということなのかな」

【大草直子×ジェーン・スー対談】「見返りを求めない」体幹が強化された50 代でスーさんが辿り着いた愛の境地_img1
 

スー「私は体幹が強いし、愛情の量も常人の10倍ぐらいあると思います。蛇口を捻ると、ダムが決壊した勢いで愛情を放出するので、受け取る側は大変なんじゃないかな。年齢を重ねても、愛情の出し惜しみとかできないから」

大草「でも、今のパートナーはそれをちゃんと受け止められる人なんですね」

スー「もともとエネルギーがすごく強い人なので、お互いに全力で殴り合っても平気なんですよ。そこが一緒にいてすごく楽ですね。俗に言う恋愛感情がたとえなくなったとしても、ここまで全力で向き合える人はなかなかいないから、その関係性は大事にしたいと考えています」