3月11日…あの大震災からちょうど5年が経ちました。私は前日から頭痛がしていました。当時住んでいたマンションで頭痛薬と水の入ったコップを持って廊下を歩いていたとき「その時」が来ました。水はこぼれ、立っていることすらできず、部屋のあちこちから物が落ちぶつかる激しい音がしました…一体何が起きたの!?と瞬時に状況が理解できなかったことが鮮明に思い出されます。10階の部屋で閉じ込められ、ガスが止まりエレベーターも動かず、建物の横を走る首都高には車一台もなくて、街がとにかく暗かったのを覚えています。これから日本はどうなってしまうのだろうと思いました。でも、そんなことより、東北のかたたちは命を、家族を、家を、仕事を、すべてを失い、私の不安や怖さなど比ではないほどのつらい思いをされて。5年経った今、復興の道を歩んでいるとは言っても、元には戻らないことの悲しみは計り知れないものがあります。何もできない自分の非力さを思い知らされています。

そしてまもなく春が来ます。震災のあとも桜や菜の花は美しく咲きました。冬があるから春があって…四季は必ずめぐるのです。昨日、千鳥ヶ淵の側を車で通りましたら桜の木がほんのりピンク色に萌えてきていました。春爛漫はすぐそこです。

友人から届いたばかりの「FEILER meets 歌舞伎」シリーズの「京鹿子娘道成寺」柄タオルハンカチ!すごい。。

一年前に記事を書かせていただいた舞踊公演が今夜テレビ(NHK Eテレ「にっぽんの芸能」22:00〜22:58)で放映されます。あの華やかな舞台を、この日にまた見ることができる…言葉や文字ではなく、映像を通じて一足早い春の華やかさをみなさんに感じていただきたくてお知らせさせていただきます。みなさんの心に美しい日本の花が咲きますように。