出演しているメンバーたちは、とっても個性豊か。そんな彼らが古民家での暮らしを通してどんどん仲良くなっていくのですが、毎晩の飲み会やバーベキューなども和気あいあいとしていてとっても楽しそう。思わず混ざりたくなってしまいます。
そして『あいの里』では、恋愛だけでなく友情が築かれていく様子にも、グッときます。
同性メンバー同士がお互いを信頼し、応援しあっていて、こういったシチュエーションにありがちな“仲が良さそうに見えて、本当はお互い腹の探り合いをしているのでは……?”なんていうことは一切ありません。
「まだまだ私たちも恋愛できる」という勇気をもらえる
中高年の恋愛をクローズアップするという規格外のリアリティショーですが、私の周囲には『あいの里』にどハマりする人が続出。
特に同世代の独身やバツイチの女友達は、口を揃えて「『あいの里』を観たら、まだまだ私たち恋できるって思えた!」と大興奮。私も、恋愛リアリティショーによってこんなにも勇気づけられるとは思ってもいませんでした。
特に勇気をくれた存在が、中盤で動き出す女性メンバーのおかよ(39)。おかよは序盤では動きがほとんどなく、発言も多くないので、とにかくおとなしい印象が強かったのですが……。
実は彼女は、過去のある出来事が原因で、自分の意見を抑え、人に合わせて生きていく人生を送ってきました。でも、流されてばかりの自分を変えたくて、『あいの里』に来たのです。
そんな彼女が、恋をきっかけに変わり出します。おとなしかった彼女が勇気を振り絞って恋愛にぶつかっていく姿は、本当に感動的。
あまりにも純粋でまっすぐで、ひたむきなおかよを見ていると、10代の頃のピュアな恋を思い出して、心が洗われるような気持ちになります。そして同時に、「自分もまた、昔のようなピュアな気持ちで誰かを好きになれるのかもしれない……」と思わせてくれるのです。
60歳のヒロインが希望をくれた!
そして、私たちアラフォー以上の女性に誰よりも希望をくれたのは、最年長女性メンバーのみな姉でした。
現在60歳のみな姉は、20代の頃にミス日本だったという輝かしい経歴の持ち主。当時の写真も紹介されますが、驚くほどの美女です。しかし『あいの里』では30代後半〜40代のメンバーが中心で、他メンバー同士は恋に落ちていく中、みな姉は疎外感を抱き、苦しみます。
みんなの前では笑顔でお母さん的な役回りに徹しているのですが、日記には本音をぶつけていました。彼女が書いていた「地に落ちた。ミス日本もゴミだ」という一行がせつなすぎて……。
立場は全然違うけれど、昔の自分と比較して落ち込んだり、輝かしい過去を思い出して苦しくなったり。自分が年齢を重ねるにつれて、少しだけ苦しくなることがあります。だからこそみな姉の言葉に痛いほど共感してしまいました。
しかしみな姉は、後半からとんでもない巻き返しを見せてくれます。60歳のヒロインは、私たちに大切なことを教えてくれました。
それは、人は何歳になっても現役でいられるし、50歳になっても60歳になっても恋愛できる、ということ。下の世代や若者たちからしたら、「何言ってるの?」という感じかもしれません。
でも、それでいいんです。自分の人生の主人公は、自分でしかないのだということを『あいの里』を観て確信しました。
そして、何度も号泣シーンがあったのですが、涙を流しながら私自身の心もほどけていくような感覚に陥りました。誰かに告白する際には「あいの鐘」を鳴らすというルール。この鐘の音が鳴り響くたびに、「また恋愛がしたい」という思いが、少しずつ強くなった気がしています。
全18話の中で、メンバーたちが見せる数々の奇跡。
誰かを愛することを諦めてしまっている人には、ぜひ『あいの里』を観ていただきたいです。
文/小澤サチエ
構成/山本理沙
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