「今の自分」を否定されると、人は心を閉ざす
問題はきっと、「どう働きかけるか」。
アキさんのように、「もう30歳になるのに彼氏は?」「仕事ばっかりしてどうするの?」と言いたくなる気持ちはよく分かります。でもそれって、アキさんが「30歳にもなったらパートナーを持ち、仕事とプライベートのバランスをとるべき」と考えているからですよね。
その前提が、もしかすると娘さんとズレているのかもしれません。
娘さんの本音は正直分かりません。本気で「彼氏はいらない。自分のペースで仕事と趣味に生きたい」と思っているのかもしれないし、「本当は彼氏がほしいのに出会いがなくて焦っている」のかもしれない。「あと数年は仕事を頑張りたい」と自分なりのプランがあるのかもしれない。
何にせよ、娘さんの「今」を真っ向から否定する言い方は避けた方がよいのではないでしょうか。純粋な心配や思いやりから声をかけているつもりでも、「お母さんは私を否定している。今の私をダメだと言っている」と受け取られてしまいかねません。
相手を否定するのではなく、「あなたのことが知りたい」というフラットな気持ちで声をかけてみるのはどうでしょうか。
仕事の話、会社での出来事、最近はまっている漫画、将来の夢……。娘さんが、いったい何に夢中になっていて、何をしているときが幸せで、何に悩んでいるのか。そういう会話の積み重ねから娘さんの日常や将来の展望が見えてくれば、アキさんのモヤモヤも少しはなだめられるかもしれません。「今の娘さん」を正しく理解した上でアドバイスができれば、相手も聞く耳を持つのではないかなと思います。
「IT企業で忙しそうに働いていますが、仕事内容は難しいというかイマドキ過ぎて私にはよく分かりません」とのことでしたが、まずは仕事の話を聞くことから始めませんか。娘さんがそこまで打ち込んでいる仕事なら、「お母さんも知りたい。教えて」と言われて悪い気はしないのではないでしょうか。
お二人の関係がまた良い方に向かうように、応援しています!
皆さんのモヤモヤ話を教えてください!
職場や家庭で、イラっとしたけど言えなかった、違和感を感じたけど言葉にできなかった、モヤモヤしているのは私だけ? と思った経験がありましたら教えてください。エピソードを掲載させて頂く際はミモレの会員ニックネームではなく、仮名でご紹介します。皆さまからのエピソード投稿をお待ちしております。
〔ミモレ編集室〕は、ミモレのオフィシャルコミュニティです。「好きを伝え、つなぎ、つながる」をキャッチフレーズに、〔ミモレ編集室〕メンバーの一人一人がこれまでに培ってきた美意識や好きなこと、最近気になっていることなどを自由にシェアし、繋がる場です。
作画/Sumi
構成/山本理沙
前回記事「「お姉ちゃん、引きずりすぎ」両親を亡くして2年...思い出を振り返るばかりの私はダメな人?」はこちら>>
- 1
- 2
Comment