自分の顔と向き合い自分の顔にある魅力を際立たせることで、その人らしさを生かしながら大事にメイクをする。そんな内側から輝いていくことを目指す「ディファインメイク」。これまで、メイクアップアーティストの水野未和子さんとともに、チークやアイブロウからその方法を考えてきました。

大人のための「アライブ眉」の作り方>>

外からも内からも最高の笑顔を作る「大人のチークメイク」>>
 

今回フォーカスするのは、「アイメイク」です。「目を大きく見せること」や「目ヂカラをアップすること」を目指すのではない、「LESS IS MORE」な大人のアイメイクを一緒に学びましょう。
 

教えてくれるのは……
メイクアップアーティスト 水野未和子さん

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オレゴンに留学後、イギリスに渡り、London College of Fashionでメイクアップを学ぶ。卒業後、フリーランスのメイクアップアーティストとしてロンドンでキャリアをスタートし、帰国後は多くの雑誌や広告、CMなどを手がける。人によって違う、その人だけの魅力をディファイン(明確に)するメイクに定評があり、数々の女優やモデルが厚い信頼を寄せる。そのメソッドをまとめた著書『ディファインメイクで自分の顔を好きになる “私だけの魅力”が絶対見つかる自己肯定メソッド』が好評発売中。メイクブラシからスタートしたメイクアップブランド「define brush」もプロデュース。
【Instagram】@mizuno.miwako

 


アイメイクは大人世代の魅力である
自信・余裕を感じさせることを目指して

 

眉がその人の「意志」、頬が「心からの笑顔」を表すものだとしたら、目は一人ひとりの「自信」や「余裕」を感じさせるパーツだと思います。「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるように、時に目は、言葉以上に思いや感情が伝わってしまうもの。

20・30・40代とそれぞれの年代でその時々の出来事に真剣に向き合い、私たちはたくさんの時間を重ねてきました。そこで得た経験値こそがその人の自信や、その人らしさになると、素敵な大人を見ていてよく感じます。

その人らしさの延長線にしかない魅力。それがやがて顔の造形を超えてその人だけの美しさになる。経験を基にした自信は表情に出る、言葉を変える。そしてそれがその人の顔をつくっていく。特に、そんな人の目もとには揺るがない自信と余裕を感じます。経験値がつくる優しさや包容力のある目は、とても美しく魅力的だと感じます。


世間では、「若く見えること=美しさ」つまり「アンチエイジングこそが美容」。そんな印象ばかりが目立ちます。

ですが、みんなに平等に与えられた時間(人生)の中で自分はどう在りたいか。どんなことに感銘を受けて、誰を美しいと感じるのか。一人ひとりの個性・美しさには、そうした美意識が滲み出ます。

自分がチョイスしたメイクや髪型、ファッションを含めた佇まいは、そんな生き方を映し出す表現でもあります。経験を重ねたからこそ醸し出せる表情・佇まい。これは若い世代にはまだない、この世代の大きな特長。

はい。これこそがまさにエイジングの魅力なのです。

嬉しいことに、人の美しさは若さだけでははかれない、もっと高尚なものなのだと年齢を重ねる程に気付かされます。

40代のアイメイクは盛らなくていい。目元を大きく見せることより大切なのは「抜く」技術【水野未和子】_img0
 

メイクアップアーティストの視点から見てみると、40代以上の私たちの世代は若い頃のメイクを引きずってしまっている「メイクをし過ぎる人」と、いわゆる「ケバい」状態を怖れるが故に「メイクをしなさ過ぎる人」で二極化しがちだと思います。

昔の自分のメイクに囚われている方も、本来の自分の魅力に気づかずその魅力の増幅のさせ方がわからない方も、ぜひ堂々と今の自分に自信を持てるメイクをしてほしい。特に、輝く大人の自信や余裕が現れるパーツである目もとを生かしたメイクを取り入れてほしいと切に願っています。

「自分の顔を見る」という行為は「自分の人生を見る」ことであると思います。10・20・30代の顔を経験した40代以上の私たちが、今の顔をもっと誇らしく愛せるようになりますように。

自分が自分である人生に愛は宿る。そして幸せが宿る。
幸せだと感じられる顔には、自ずと美しさが宿るのではないでしょうか。

以上を踏まえ、今回の特集では、エイジングサインも含めた一人ひとりが持つ魅力を自然に際立たせるアイメイクをご紹介します。具体的には、目もとの表情を影色のアイライナーを使って温めたり、まぶたに自然なツヤを与えて目に輝きを宿すようなメイクです。

 
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