日本とアメリカの製薬会社が共同で開発したアルツハイマー病の新しい治療薬、「レカネマブ」の日本での製造販売が承認されました。認知症の進行を抑える効果が期待されるという「レカネマブ」とは、一体どのような薬なのでしょうか? 「レカネマブ」の気になる効果、副作用などについて、山田悠史先生に聞きました。

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402

 


編集:今回、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」が日本でも承認され、多くの方が関心を持っていますよね。一体、どんなお薬なのでしょうか?

山田:「レカネマブ」とは、アルツハイマー病の原因の一端を担っているのではないかと考えられているアミロイドβに働きかける薬です。

このアミロイドβは、「脳に溜まるゴミ」と形容されることもあり、これを取り除くことによって、ゴミのなくなった綺麗な脳が、再び認知機能を回復するのではないか、と考えられたのです。ちなみに、この薬は、2週間に1回、静脈内に注射して投与をする「抗体薬」と呼ばれるものです。

編集:そうだったのですね! てっきり飲み薬かと思っていました。 それから、2週間に1回注射をする必要があるのは、結構大変そうだと感じます。