80代で週に3回カフェ勤務。健やかでいる秘訣は「嫌いな人には会わない」こと【パリ在住日本人マダム】_img0
 

―――パリに住み始めて50年ですが、住み始めたきっかけを教えて下さい

「日本にいたときにオートクチュールのデザイナーさんのところで専属のモデルとして働いていたんです。パリに興味を持ったきっかけも、いまの私の食へのこだわりや美的感覚も、そのデザイナーの影響といってもいいくらい、全部彼女に教わりました。具体的な渡仏のきっかけは、どうしても親が決めた結婚相手が嫌だったから。そんなときに友人から『パリでバーを手伝わないか』と声をかけられたので、いいタイミングだと思い立ったんです。

 

最初にパリで始めた日本人向けのバーでも、焼きうどんやお好み焼きを作って出していたし、その後も和食のお弁当屋さんを手伝っていて、今もカフェで働いているでしょ。ずっと“食”に携わる仕事をしているくらいだから、食事を作るのがとっても好きなんです。時間があるとひじきの煮物とか作っちゃうくらい。ある意味で、料理をするのが私の“精神安定剤”なのかもしれないですね。バーも21年やったし、お弁当屋さんは6年くらいだったけど、行列ができるくらい人気だったの。これまでに3人に手相を見てもらったことがあるけれど、3人ともに『向いてる』って言われたし(笑)」