子供の教育・生活環境のために日本から海外に移住して1年とちょっと。日本で暮らしていたときのようにスムーズに行かないこともたくさんあります。そこで、実際に海外に引っ越したあとに「こんなはずじゃなかった!」という大誤算を防ぐために大事なことを公開します。

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常に「プランB」を考えておく

写真:Shutterstock

先に結論から伝えると、海外で生活しようと思ったら、常に「プランB」を考えておくことです。渡航前も渡航後も。

私自身は日本からカナダに引っ越してきて、1年ちょっとが経過しましたが、その重要性を深く感じる出来事がいくつかありました。
 

これまで当たり前だったことが、当たり前でなくなる海外事情

先日、カナダの移民局が今度の移民システムについて、新たな発表をしました。カナダはここ数年でさらに移民を受け入れることを以前から発表していましたが、今回の発表により「だれでも広く受け入れるのではなく、カナダにとって必要な人材を優先して受け入れる」方向によりシフトしていくのだろうと受け取りました。

また、この公表の少し前には、留学をするのに必要な入学許可証を発行するためのチェックを強化するという発表もありました。一部の留学エージェントが詐欺を働き、入学許可証を偽装していたという問題もあったからです(詐欺がなくなることはもちろんありがたいことです)。

「カナダは留学しやすい」「カナダは永住権が取りやすい」とよく言われている(これが事実かは個人差もあるのでなんとも言えませんが……)ので、それを受けてカナダを渡航先に決める人も多いと思います。ですが、このような発表ひとつで、今後は移民のシステムが大きく変わってしまうこともあるのです。

たとえば、これまではカナダに長く住みたいと思ったら、
①カナダでポスグラが申請可能なカレッジや大学を卒業する
②ポスグラで就職する
③永住権の申請をする
というのがカナダで永住権を取るための王道ルートだと言われてきました。

「ポスグラ」とはPost graduate Work Permitの略で、カレッジや大学を卒業したら得られる「就労ビザ」のことです。8ヵ月以上のプログラムを卒業するとプログラムと同じ期間、2年以上のプログラムを卒業すると3年のポスグラが発行され、カナダで働くことができ、永住権取得に繋げやすいからです。

私も将来もし長くカナダに住みたいと思ったらどうすればいいかを、移民コンサルタントの方に相談したときは、この方法を勧められました。

ですが、今後さまざまなルールが変更になっていくと、これが王道ルートではなくなる可能性も……。

もし考えていたプランがダメになった場合、どうすれば良いか、もうひとつの「プランB」を常に考えておくことが、「こんなはずじゃなかった!」を回避するために欠かせない方法です。

 
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