お仕事帰りに同僚と。休日に大切な家族や友人と。
誰かに心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを、厳選してご紹介します。

無農薬・有機栽培のブドウのみで造られているのが、自然派ワイン。その生産地として注目されているのが、フランス・ジュラ、サヴォワ地方だ。造り手の情熱溢れるかの地のワインに惚れ込んだ店主の、熱き思いが伝わる1軒。


サヴォワで修業を積んだ店主の自然派ワインと炭火焼きの店
ラ ピヨッシュ(水天宮前)

自然派ワインの最旬アドレスは、ジュラ&サヴォワにこだわる店。_img0
ディオの炭焼き。サヴォワ地方の伝統的なジャガイモのグラタン、ドフィノワを付け合わせに。定番ではないので、ない日もある。

店先に立てかけられた1本の鍬は、店主・林真也さんの思いの表れだ。林さんは、仏サヴォワ地方のジャン=イヴ・ペロンという自然派ワインの造り手の元で、ブドウ畑を耕すところから経験した人。それだけに、ワインも料理も、生産者の思いが伝わる店でありたいと考えている。生産者から届く野菜や肉は、素材の味がシンプルに伝わる炭火焼きが主役。埼玉県川越の農家から半頭買いする豚は、肩ロースなどをそのまま炭火焼きに、他の部位でディオと呼ばれるサヴォワのセミドライソーセージなどを作る。ジュウジュウ脂を滴らせながら炭火で焼いたディオと、修業先の自然な味わいの白ワインとの組み合わせは、なんとも力強くて、パワーをもらえそうだ。

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チーズ(地価)。1種類を選んでドライフルーツなど とともに。これはサヴォワ地方で造られている素朴で食べやすい牛のチーズ、トム・ド・サヴォワ。
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加藤さん家の豚の肩ロース炭火焼き¥2730。シェフは、林さんのかつての同僚とあって、炭の扱いはお手のもの。肉の火入れも上手い。この日の付け合わせも、有機野菜を炭火で焼いた力強くてシンプルなもの。体も喜ぶ。
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テーブルもカウンターも木を基調にしたナチュラルな雰囲気。

【ラ ピヨッシュ】
東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-1 tel.03-3669-7988 営業時間:17:30~25:00(23:00LO)土日祝16:00~25:00(23:00LO) 不定休 テーブル14席、カウンター4席 グラスワインは日替わりで、泡も含めて10種前後¥900、ボトル¥4200~。料理は日替わりで、自然派野菜のサラダ¥1600、肉屋さんの前菜盛¥1800など.

このページは、女性誌「FRaU」(2013年)に掲載された
「おつかれレストラン」を加筆、修正したものです。
撮影/柳原久子 取材・文/齋藤優子 構成/藤本容子